■低成長克服の最重要テーマ:中国内需の取込み


過去のブログ(「世界経済は2番底がくるのか? 」)で論じたように、今後の世界経済のメインシナリオは大きなマイナスはないものの、低成長が2年ほど続くというものである。


その中で高成長を達成するには、


①成長3分野の取り組み:「環境・エネルギー」「IT(コンテンツ含む)」「バイオ・医療」


②成長地域:中国をはじめとする新興国需要の取り込み


が不可欠である。


もっとも良いのは、①と②の合わせ技であろう。


■簡単ではない中国内需の取込み



しかし、②について、特に中国でうまくいっている企業はそう多くはない。中国人同士さえ、だましたり、だまされているビジネス環境で、日本流も、欧米流も現地向けのビジネスは苦労の連続である。


■勝利の方程式となるか?東光(証券コード6801)の試み

その中で、先日、証券アナリスト向け説明会に参加させていただいた、東光(コード6801)の動きは注目される。


電子部品で世界有数のコイル専業メーカーだが、半導体を内製化していたため、投資負担等が重荷になって、収益が低迷していた。


しかし、今年初め、旭化成に半導体事業部門は売却し、現在は、台湾メーカーのチリシンと提携して中国ローカル企業に対して自社の製品の売り込みを着々と進めている。昨年就任した新社長のもと、確実に企業風土が攻めの姿勢に変化しているように感じる。


株価は100円前後で推移しているが、一株当たり純資産は178円程度であり、解散価値を大きく下回っている。台湾メーカーとの連携がうまく成果として出れるかどうかが注目されよう。


コイルの技術力では定評があり、世の中の電子化の流れで安定確実な成長を享受できると推察される。


電子部品メーカーでは、中国に進出すると、技術がとられるということで、なかなか積極的になれない企業が多い。中国ビジネスに詳しく、人的なネットワークのある台湾メーカーと組んで、進出するというのがひとつの解かもしれまない。

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