マカッサルを出港した マジャパヒト号が次に向う先は 

カンゲアン諸島 「スペカン島」



スペカン?
 

このちょっとまぬけな感のある 島の名前を知っている人は 
例えインドネシア人であっても一万人に一人くらいの割合でしょう 

一万七千もの有人島からなる 群島国家インドネシアの中でも最も人に知られていない部類に属する小島の一つ


スペカン  


スラウェシ島とバリ島の中間辺りの洋上に浮かぶ カンゲアン諸島の島の一つ


スペカン





僕らがこの島に向うのには訳があります


この島には 漂海民バジョー族をはじめ スラウェシ島からのブギス人 マンダール人といったインドネシアを代表する海洋民族が大勢住み着き 
 

周辺で一番大きな島 カンゲアン島では船体の材料となる良質のチークが採れるために マカッサル由来の造船技術をもった船大工が揃う
 

インドネシア海洋文化の新天地となっているんです。 

 


マジャパヒト号は 次に南寄りの季節風に変わる時期までの間 

次なる航海に向けて待機  船体とマストの修繕を行なわなければいけません


山本船長とインドネシア側関係者の話し合いの末

この島こそ古代船マジャパヒト号の母港として相応しいという結果となり 



マジャパヒト号は初めて見る母港 スペカン島へと向うことになったのです。


なんとなくイメージするのは 紅の豚の秘密基地がある あの島ですね


海洋冒険家見習いの航海日誌




カンゲアン諸島に船が入ったのは 夜になってからでした 

海図を見ると この群島の内海には無数の暗礁があるようですね


前回の座礁で暗礁には苦い記憶がありますから



デニキャプテンに軽く進言してみました 

「デニさん デニさんもここは初めてでしょ? 暗礁が多いから夜のうちに知らない海域に無理に入らなくても どっかで錨泊して明日明るくなってからのほうがいいんじゃない?」  


「ハッハッハッ! 大丈夫スペカンまではもう少しなんだから 島の近くまで着いたら小さい島なんだからぐるっと回れば入るところはわかるはずだよ 目的地まではもう少し全速前進! ハッハッハッ!」 


「………」 






まぁ今度は僕の当番ではなくて オリンピック代表ワハブさんの当番だったので安心ですね  


ところが… 

 


しばらく行くと水面の色が 急に白っぽく変わりました  

マズイ!


「浅くなってる! 暗礁だー! 」  

叫んだその瞬間 


「ドゴッ! ギギギギギィー!! ゴギャギャギャギャー!ブペッ!」


あの寒気のする嫌な音 再び… 


そうです…



またも座礁です  


それも夜の座礁 


海洋冒険家見習いの航海日誌
 


こういう人知れない島の周りには海図に載っていない暗礁もあるものです

幸いなことに 水底は半分は 砂地  でかい岩にぶつかったわけではないので船体にダメージはなく 船も完全に乗り上げたわけではないので走行可能


デニさんは大慌て 

「 取り舵! 取り舵! 微速前進で抜けろー!」 


それでも船はなかなか浅瀬から抜けられません 


ワハブさん

「この浅瀬は相当広いよ キャプテン 前進したせいでどっちに抜ければいいのか余計にわからなくなったんじゃないの? 最初に後進で戻っておけばよかったんだよ!今から後進しましょう」 

山本船長

「慌てる必要はないんだから このままアンカー打って潮も満ちてきてるし明るくなるのを待ったほうがいいぞ!」 


デニさん

「 アッドゥー! こんなところで座礁してる姿を晒すのは海軍にとって不名誉ですぞ! このままゆっくり行けば大丈夫なはず そのまま微速前進だ! ヒロ 海に入って 針路にでかい岩がないかどうかチェックしてこい!」


「えーーーっ!?」  


皆の意見もてんでバラバラです… 




そんな時 

救いの神様は 小舟に乗ってやってきました 


「おーーい! あんた方さ こげな大きな船で 浅瀬入ってどうしたんだべ~」 


近くにいた漁師さんが様子を見に来てくれみたいです


助かった~ 



「僕ら 浅瀬に乗り込んじゃったんですけど 抜ける方向がわからないんです すいませんけど教えてください! 僕らスペカンって島に行きたいんですー」 


「あんりゃ! そりゃ まぁえらいこっちゃ! オラが一緒に行ってあげるけぇ ついてきんしゃい スペカンちゅうのはオラの島の隣じゃけぇの  」


やっぱり地元の海を知ってる人がいないと こういう所は難しいですね 



そんな漁師さんの助けもあって マジャパヒト号はなんとか無事に

マジャパヒト号の母港となる スペカンに到着 


その時にはもう夜中過ぎになっていました。

  


さて マジャパヒト号の基地となる ここスペカンはいったいどんな島なのでしょうか?


明日 明るくなるのが楽しみです。