コロナのために、高齢者施設や病院で面会制限が行われています。

場合によっては、かなり長い間、家族と会えていないという方もいます。

 

高齢者施設によっては、ZOOMやスカイプなどのテレビ通話を用いた面談を実施している施設もあるようですが、

そのような優秀な対応をされているところは限られています。

 

ところで、このほど、弁護士ドットコムニュースから、刑務所におけるビデオ通話面談の可能性について、

取材を受けました。

 

 

 

現状、オンラインによる収容者との面談はほぼ実施されておらず、

弁護士とのオンライン面談がごく一部で認められているにすぎません。

 

ただし、世の中のオンライン化は急速に進んでいます。

これは、裁判手続きでも同様です。

大阪地方裁判所では、オンラインによる裁判手続きの導入がなされました。

私の事務所でも、何回かオンラインによる裁判手続きに参加しました。

これまでは、FAXや郵送が原則であった裁判書面の提出も、今後は、電子メールでという方向性になりそうです。

 

オンライン会議、オンライン飲み会などなど、社会はオンライン化が一気に加速し、

刑務所の収容者とのオンライン面談も時代の流れの中で、実現するかもしれません。

 

弁護士ドットコムの取材には、そのように答えましたが、

実は、私は、

刑務所におけるオンライン面談の実現の可能性は、相当低いのでは、

と思っています。

 

なぜなら、刑務所というのは、あくまで、収容者の強制施設であって、

受刑者等にサービスを提供する機関ではありません。

もちろん、人権は保障されなければなりませんが、

それは、「受刑者が快適に過ごせるように配慮する」

というわけではありません。

 

人権が保障されなければならないというのをわかりやすく、食事を例にとってみましょう。

受刑者は、三食を提供されますが、あくまで普通の食事であって、

フレンチやイタリアンなど特別贅沢な食事が提供されるわけではありません。

宗教上の理由により食べられない食事がある場合には、代替の食事を提供するということはありますが、

受刑者が食べたいものの希望を出すこともできません。

 

いわば、オンライン面会は、まだ、フレンチやイタリアンでしょう。

クラスターさえなければ、通常面会は許されています。

それに加えて、電話面談やオンライン面談を認めるのは、まだまだ先の話でしょう。

 

横浜刑務所では、クラスターが発生し、収容者との面会が制限されました。

そして、横浜弁護士会は、クラスターが発生し、面会が制限される場合の、

代替手段としての電話面談やビデオ通話を申し入れたとのことです。

このようんに代替手段としてのビデオ通話はあり得るかもしれません。

 

ただ、冒頭に書いたように、

病院や高齢者、障害者施設でのオンライン面談の導入が不十分な中、

刑務所が先にオンラインというのは違和感を感じる人も多いかもしれませんね。