弁護士でブログを書いている方がたくさんいらっしゃいます。私も執務中に分からないことを検索し、そういったブログのお世話になることもよくあります。一般の方に対して法律を分かりやすく解説するブログは、その問題にぶちあったっている人に対して有益ですし、その弁護士の人となりを知るきっかけとして、弁護士を探している人にとっても有益だと思います。

 

ただ、中には、担当する特定の事件に関する記事を書いている人もいます。そういった場合には、弁護士の守秘義務や職業倫理がよく問題になります。たとえば、依頼者の了解なく事件の内容を漏らしたり、事件の相手方を誹謗中傷したりという問題です。

 

今回、愛知県弁護士会が、伊藤詩織さんというジャーナリストを侮辱する記事を、弁護士が自身のブログに投稿したとして、懲戒の審査を求める議決をしたということです。事の次第はこれからということなのですが、私の感覚で言えば、社会的耳目を集めているからといって、ブログに担当する事件のことを投稿すること自体、疑問を感じます。

 

弁護士は、本来、法廷で真実を探求する役割を担うのであり、ブログという場外乱闘に自ら乗り出すというのは、好ましくないと感じます。ですから、私は、担当事件については、これからも一切このブログで書くつもりはありません。

 

ときどき、担当事件に関する記事を書く弁護士でも、自身が担当した事件について、誤った報道がなされているため、依頼者と話し合って、真実をブログに書くという場合があるように思います。そういった場合には、弁護士の依頼者のための活動の一環として、許容されると思います。

 

とはいえ、弁護士の主戦場は法廷であり、マスコミ対策に長けている弁護士は少数です。弁護士は、あくまで、依頼者のために活動すべきであって、別のステージで、依頼者を別の紛争に巻き込むというのは極力避けておくべきでしょう。