池袋で10人が死傷した凄惨な事故の被疑者が逮捕されていないことについて、

いろいろと物議をかもしています。

 

被疑者が旧通産省工業技術院の院長であったことから、

警察が忖度をしているとささやかれています。

 

被害者や遺族の気持ちを考えると、

逮捕されないことに、もやもやする気持ちが生じるのも理解できます。

 

しかし、被疑者の年齢や病状、体力を考えたときに、

逮捕という選択肢は考えにくいでしょう。

仮に被疑者に社会的地位がなかったとしても、

逮捕はされていなかったと思います。

 

犯罪=逮捕と一般の方は思われるでしょうが、

罰金が想定されるような比較的軽微な犯罪や、

高齢や病気を理由に逮捕されないという事例もたくさんあります。

 

今回は、決して軽微な犯罪ではありません。

ですから、高齢で怪我をしていることから、

逃走の恐れが低く、

証拠隠滅の恐れが少ないことが

逮捕・勾留までされていない理由です。

 

では、被疑者の刑事処分はどうなることでしょうか。

 

今回の事案は、社会的インパクトも大きく、

死傷者が多数に及んでいることから、

正式裁判で起訴されるのは当然視されます。

 

その上で、裁判官が、どのような刑を言い渡すかが注目されます。

驚かれる方も多いと思いますが、

自動車を運転して過失で人を一人引き殺してしまっても、

初犯の人は、飲酒運転などの悪質な事例は別ですが、

執行猶予付きの判決となることが多いです。

執行猶予つきということになると実際に刑務所に行くことはありません。

他方、死傷させた人数が多いほど、実刑となる可能性が高まります。

 

今回の事例では、被疑者が高齢であることが、

被疑者に有利に斟酌されることでしょうが、

私は、実刑になる可能性が高いと思います。

 

ところで、この事案は、事故発生から一ヶ月経ちましたが、

まだ、起訴はされていません。

被疑者は、ブレーキが利かなかったと弁明しているとの報道がありますので、

ブレーキ性能に問題がなかったことなどを捜査する必要があるでしょう。

また、防犯カメラやドライブレコーダー等の解析、

遺族や被害者の供述調書をすべて作成するのには、

相応の時間が必要であろうとは思います。

 

警察官は日夜努力されていることと思います。

被害者のために行動できるのは、

日本の法制度のもとでは、

警察と検察だけです。

がんばってもらいたいと思います。