破産者マップの違法性

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ここ数日、ネットで話題になっている破産者マップのことについてです。

破産者マップは、官報に公示されている破産者の住所、氏名を

グーグルマップに落とし込み、

誰でもネット上で閲覧可能な状態にしたマップです。

 

すでに作成者は、当該ページを閉鎖しているので、

現在は見れません。

 

作成者は、官報で公告されている情報なのだから、

一般に公開しても問題ないという認識であったことが、

作成者のツイッターの投稿内容から読み取れます。

 

他方、これに対して、家族や友人、会社に破産したことが知られてしまった、

などという被害が多く発生したとのことで、

被害者の弁護団が結成されているとのニュースもあります。

 

この件に関する法的見解もネット上で多く寄せられており、

プライバシー侵害であるとの見解が主流です。

私も同様の意見です。

 

私は、破産事件についても取り扱いをしていますが、

破産のご相談の方からは、

「破産したことが人にバレないでしょうか」

という質問をよく受けます。

その質問に対しては、

「官報に載りますが、

一般の人は官報など見ないので、

事実上、ばれないでしょう。

ただし、確実ではありません。」

と回答します。

確実ではないが、ほとんど分からないというところが絶妙な頃合です。

 

破産者マップが定着したら弁護士の回答はどうなるでしょう。

おそらく、

「破産者マップというのがあって、

興味本位の人に、ほとんどバレます。

中には深刻な被害が出ている人もいます。

破産はやめておきましょう。」

となってしまうことでしょう。

 

破産という選択肢があっても

借金苦での自殺者がいます。

破産という選択肢を奪ったら、

自殺者がもっと増えるのではないでしょうか。

このような観点からも、

破産者マップは許されてはなりません。

 

作成者は、削除要請には応じる構えでしたが、

削除要請をする際に、

本人確認資料のほか、

破産に至る経緯などを要求していた、

という記事もあります。

このため、

情報の転売という二次被害の危険を指摘する声もあります。

 

破産者マップの作成者は、

きわめて安易な気持ちで、

その発想を誇示したかったのかもしれません。

 

しかし、おそらく、

ほとんどすべての法曹関係者が、

破産者マップにはノーを突きつけるでしょう。

 

今回の騒動は、

実際に実名で掲載された人に深刻な打撃を与えました。

また、それだけにとどまらず、将来にわたっての影響もありえます。

つまり、破産者マップのような方法で、

ネットに公開されるリスクがあると思うと、

破産しにくくなるでしょう。

 

おそらく、破産者マップの作成は、

技術的にはきわめて容易だと思います。

そのため、二番煎じが出る可能性が否定できません。

このようなことが二度とおきないように、

今回の件は、このまま終わりにしてはなりません。

作成者に対するペナルティも指摘されうるところですが、

官報による情報開示のあり方についても、

検討すべきです。

前科情報ほどではないでしょうが、

相応の管理のあり方が必要でしょう。