36件の民事裁判において、

裁判官が判決文が未完成なのに判決を言い渡したとして、

名古屋高裁が当該裁判官に懲戒処分(戒告)を下し、

同裁判官が依願退職したそうです。

 

当該裁判官のお名前も報道されていますが、

ここはあくまで私の私的なブログなので、

お名前を書くのは控えます。

 

一般の方は、判決文など見たことないと思いますが、

事案によっては数十ページに及ぶものもあり、

判決文を書くのは大変な労力がかかります。

 

そうして、判決言い渡しのときは、

その全文を読み上げるわけではなく、

いわゆる主文だけを読み上げます。

 

主文というのは、金銭請求の場合は、

被告は原告に対し、金○○円支払え

という部分です。

判決言い渡しは、一つの事件につき、

数分もかかりません。

 

その後、判決文を当事者に交付します。

弁護士が代理人の場合は、

スタッフが取りに行ったり、郵送してもらったりします。

 

とりあえず判決の主文は決まっているから、

判決言い渡しをし、

交付するまでの間に作成しようとでも思ったのかもしれません。

 

たぶん、お忙しかったのだと思います。

裁判官によっては、膨大な事件数を抱えている人もいます。

 

なかにはごくまれに、判決文が間に合わずに、

恥を忍んで判決言い渡しを延期する裁判官もいます。

この場合には、裁判を受ける側からしても、

突貫工事で判決を書かれるよりも、

しっかりと判決を書いていただきたいので、

延期を受け入れざるを得ません。

 

なぜ恥を忍んでというのかというと、

判決期日は裁判官が決めるからです。

自ら決めた期日に判決文を書けないとなると、

恥ずかしいですよね。

 

この懲戒を受けた裁判官も、

恥を忍んで延期を申し出ればよかったのに、

と思います。

 

ただ、時間を守らないというのは、

弁護士の方が問題が多いかもしれません。

弁護士の会合には開始時間に皆が揃うことが少ないですし、

裁判所への提出書面の提出期限に遅れることもしばしば見受けられる現象です。

 

裁判をしたことのない人には、

意外と思われることでしょうが、

裁判期日は、一つの事件につき、

1~1か月半ごとにしか開かれません。

 

それでも法曹関係者は、

てんてこまいしながら、

事件にあたっています。