相続人調査と遺言

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子のない高齢のご夫婦によくあることですが、

たとえば、夫名義の不動産があったとします。

そんな中、夫が先に亡くなってしまった。

 

そうすると、当該不動産の相続の話になります。

妻は、当然相続人になるのですが、

子がいないので、

次順位は、夫の両親になります。

しかし、多くの事例では、

夫の両親は先に亡くなっているので、

さらに次順位の兄弟が法定相続人になります。

 

兄弟くらいであれば、

まだ何とかなるかもしれませんが、

なにぶん、ご兄弟も亡くなられているケースがあります。

そうすると、ご兄弟の子がさらに代襲相続人になります。

 

今の高齢者世代は、兄弟姉妹がたくさんいるケースが多く、

そうなってくると、

法定相続人が10人とか20人とかざらに発生します。

 

法定相続分は、妻が4分の3、

その他の兄弟姉妹あるいはその代襲相続人で残りの4分の1をシェアするので、

場合によっては、1人当たり何十分の1などという法定相続分もありえます。

 

それでも権利者なのは変わりないので、

ハンコをもらわないと、

妻への登記の移転ができません。

 

それでもなんとか、法定相続人に連絡を取ろうと試みても、

どうしても連絡がつかない人がいれば、

家庭裁判所に遺産分割の審判を求めることはできます。

そうなれば、弁護士への依頼も必要になってくるでしょうし、

法定相続人への代償金の用意も必要になるでしょう。

いきおい、どうしようもなくなり、放置される物件が増えます。

 

この問題、実は、

昨今の高齢化社会において顕著になってきています。

空き家問題にも直結する社会問題といっても過言ではありません。

 

この解決方法として、

現行法上のルールにのっとっていくと、

お亡くなりになる前に、

遺言を書くしかないでしょう。

妻に相続させる旨の遺言があれば、

単独で妻の所有にすることができます。

 

また、兄弟姉妹には遺留分がありませんから、

後腐れもありません。

なお、遺留分というのは、

遺言があったとしても、

法定相続人は、

その法定相続分の半分の権利を主張することができる

という制度です。

この権利は、配偶者、子、親には認められていますが、

兄弟姉妹にはありません。

 

ただ、このような法的知識をお持ちの方は、

極めてまれで、

遺言もなくお亡くなりになって、

はたと困り果てます。

 

法定相続人の方も、

突然遠縁の親戚の相続問題といわれても、

困るだけのケースも多いです。

 

例えば、兄弟姉妹には代襲相続を認めないというような法改正がされれば、

この問題は幾分かはシンプルになりますが、

これは政治家の議論であって、

弁護士の議論ではあまりありません。

 

結局、遺言を書きましょうという話になるのですが、

高齢の方はあまりブログなど見ないですよね。

もし、

そういう方が周りにいるという場合には、

是非、教えておいてあげてください。