ドラム型洗濯機と死亡事故

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ドラム型洗濯機の中に、

5歳の男の子が閉じ込められ、

窒息死してしまったというニュースがありました。

 

これは、私の事務所のある、

堺市堺区の出来事で、

子供さんのいるご家庭では、

他人事には感じられないのではないでしょうか。

 

過去にもドラム型洗濯機内で、

子供が閉じ込められて死亡したという事例が、

複数存在するようです。

 

今回の堺の出来事は、

父親と一緒に昼寝をしていた男児が、

父親よりも先に起きて、

いたずらか遊びのつもりで、

洗濯機のドラム内に入ったところ、

ドラム内からはドアが開けられない構造で、

かつ、密閉構造であったために、

窒息死したものとされています。

ドアにはチャイルドロックがかけられる仕様であったとのことですが、

今回は、チャイルドロックまではしていなかったとのことです。

 

子供がそういった狭い空間に入り込んで遊ぶことは、

誰だって想定できます。

製造側もチャイルドロックを設置していることから、

そういったことがありうることを認識していたというべきでしょう。

 

そうなってくると、

自動的にチャイルドロックがかかる構造にすべきであったとか、

内部からドアが開けられる構造にすべきであったとか、

せめて窒息しないように酸素の送り込み経路を確保しておくべきであったとか、

より安全な構造にしなかったことに、

安全性の瑕疵があるのではないかという議論になるのではないかと予想されます。

 

すなわち、PL法による損害賠償請求の問題が浮上してくることでしょう。

 

弁護士のとても悪い癖で、

お金の話から入ってしまいましたが、

逆に言えば、弁護士に出来るのはお金の話だけです。

 

ただ、この事例もそうですが、

親は、もしチャイルドロックをかけていればとか、

もし、自分が寝なかったらとか、

もし、もう少し早く起きていればとか、

もし…もし…

と自分を責めてしまい、

立ち止まってしまいます。

 

世間一般の感覚でいえば、

子供を寝かしつけようと横になっていると、

そのまま一緒に寝てしまうのは、

よくあることですし、

まさか洗濯機が凶器になるとは思わないでしょう。

であっても、親の心理は、

自分を責めてしまうものです。

 

親御さんには、

時間の癒しに身をゆだねるという選択肢もあるでしょうが、

他方で、訴訟を選択される方もいらっしゃいます。

 

先ほど、弁護士に出来るのはお金の話だけと言いましたが、

正確ではありません。

実際、遺族が訴訟の選択をされたとしても、

お金が欲しくてという方はまずいらっしゃいません。

なぜ、息子が死ななければならなかったのか、

その究明をしたいという一念だけの方が多いです。

したがって、弁護士は、

お金のためだけに活動するわけではありません。

依頼者の立場で、真実を追求する、

という役割があるのです。

 

堺の出来事なので、

取り上げてみましたが、

親御さんの心中を察すると、

胸が詰まる思いがします。

5歳の男の子のご冥福をお祈り申し上げます。

 

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