小室哲哉さんの引退会見が波紋を広げています。

どちらかというと、小室さんに同情的な意見が多いように思います。

 

ところで、

小室さんの妻の桂子さんは、

高次脳機能障害に罹患しているとのことです。

 

高次脳機能障害は、

交通事故による脳外傷や、

脳卒中の後遺症として認められる病態です。

 

いずれにしても、

脳の障害は、多岐な症状を呈することがあり、

重篤なものから軽度なものまであります。

 

記憶障害や社会的行動障害などが見られ、

一日中無為に過ごしたかと思えば、

自己の感情がコントロールできず

突発的に行動を起こすこともあります。

 

残念ながら、社会的理解に乏しい病態で、

「高次脳機能障害」という病名を正しく述べることができる人の方が、

まれでしょう。

見た目に普通の場合が多く、

病気を理解していないと、

なぜそんなこともできないのと、

怒り出す人もいます。

 

桂子さんは、ご病気によって、

十分に歌えなくなったとのことです。

 

新たな歌詞を覚えるのが困難なのか、

歌っている途中で次にどう歌えばいいかわからなくなるのか、

うまく発声できなくなったのか、

リズム感が損なわれたのかよくわかりませんが、

いずれも高次脳機能障害の症状としてありえることです。

 

しかし、少し前に、

小室さんが桂子さんの歌った曲をインスタグラムに

投稿したことがあり、話題になったことがあったのを思い出しました。

 

高次脳機能障害の人は、回復できたことが大きな喜びです。

もともと歌手であった桂子さんが、

病気で歌えなくなったにもかかわらず、

少しでも歌えたという事実は、

素晴らしいことだと思います。

 

だけれども、交通事故の損害賠償の局面では、

回復したということは、

逸失利益や将来介護費用の減額要素になります。

 

とすれば、

交通事故の被害者は、できることが増えても、

賠償額が決まるまでは、

そのことを隠して生きなくてはならないのか。

 

そんなわけがあっていいわけがありません。

必死の思いでできたことが原因で、

賠償額が下がるなどということがあってはなりません。

そのことが常にできるのか、

他の症状との兼ね合いで

そのできるようになったことによって

本当に就労可能性を高めたり、

介護の負担を減らすことになるのか、

慎重に検討すべきです。

 

また、高次脳機能障害の症状は、

第三者にはわかりにくい場合があり、

その症状や介護の苦労を理解するのは困難を極めます。

しかし、介護する家族の話を丁寧に聞いていくと、

その苦労には胸が詰まる思いがします。

交通事故の場合は、

その症状や介護の苦労を裁判所に伝える作業が必要ですが、

一つ一つ丁寧にするしかありませんね。

 

たとえば、家族の方に日記をつけてもらう、

というのも一つの手です。

 

いつでも交通外傷において、

立証の苦労をするのは、被害者側です。

最近の裁判実務では、

その立証の負担を被害者にかけすぎであるという気がしてなりません。

 

最後に、

小室さんは、不倫を否定しています。

真実は第三者にはわかりませんが、

我々が、そのことに強く関心を持つ必要はないと思います。

 

ただ、疲れたのならば、

穏やかな時間の中で、

しばらく休んでほしいなと願っています。

 

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