ただの狩り豚トラメラーが4ヶ月で詠唱戦最強になるまでの道のり【UO PIT】 | IZUMO詠唱戦日誌

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Ultima Onlineにおける「出雲シャード」でのPIT&アリーナを通じた詠唱戦の記録です。

 


第二回大和PIT大会 優勝者 Oisiです。

ブログ開設はだるだるダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手なので

こちらのブログをお借りします。



私は2018年1月頃にUltimaOnlineへ12年ぶりに復帰し、
あまりに変わり果てた世界に驚愕しました。

3リーチ33%ついているソウルシーカーが最強だった時代は何処へやら。
取引する際の通貨単位も6000kや60000kではなく60mやら100mだの
頭お菓子なるで状態でした。

元々狩りしか経験した事がなかった私は、
いち早く装備を集め、新たな環境の狩りを楽しむ為に
狩りにおいてトップクラスの強さを誇る白豚を使用していました。


以前遊んでいた時も戦士を使っていた為、
PITを始めるまでは「メイジなんてただの支援職」程度にしか認識しておらず、
Greater HealやInvisibleなどの支援魔法以外はほぼ使った事すらありませんでした。


復帰して1年も経つ頃には新たな環境のUOにも慣れ、


戦士2アカ バードテイマー1アカの合計3アカ同時操作でソロ屋上、PSC周回などしていました。


UOAも入れずにAlt+TABを連打しながらマクロボタンを連打し、
自動移動を駆使した3キャラ同時移動をしていた私は
傍から見るとツーラーにしか見えなかった事でしょう。


ソロでも屋上を30-40分で回れるし、


操作が忙しいのも相まってアクションゲームと化していました。



ある程度お金も溜まり「特にやる事なくなってきたな」と思い始めたころに
「対人戦をしてみたい」という気持ちが芽生え始めました。


しかし、バチバチのゴリゴリにトラメラーである私には
「フェルッカ」という場所は、ただのトラウマ生産機でしかありませんでした。


一歩フェルッカという地に足を踏み込めば数人に囲まれ殺され

「うぇwwっうぇwwwwww」

 

と幽霊と化した私に向かって連呼してくるヤバい奴らが居る

そんなイメージしかありませんでした。
ていうか実際にされました。


そこで私の"対人戦をしたい""安全である"という矛盾を満たしてくれるコンテンツを探しました。

そんな時に出会ったのが「PIT」でした。

戦う場所はフェルッカですが、
ある程度の安全性があり、
尚且つ気兼ねなく何度でも対人戦が出来る。


そして私が今までろくに触ってこなかったメイジが主体となっているという事もあり
戦士に飽き始めていた私にはピッタリの環境でした。


そしてこれも縁なのか、


UO復帰初日、親切にして頂いた方に「PITやりませんか」とお声がけ頂いていた事を




忘れていました。

すみません。

PITに行って一年ぶりに再会した時に思い出しました。

復帰初日の人をPIT誘うなんて人殺し願望強いヤバい人だと思っていました


そして2019年10月頃から私のPIT生活が始まりました。
当時はUOA無しの2Dクライアントで遊んでおり、

2Dクライアントの素材をそのまま味わっていましたが、
様々な点で不便、不利な点が多くあり、
鳴かず飛ばずな実力のまま一か月程経ちました。


"超平凡マン"


その時はSpM無しの武器ありPITルールで遊んでおり、


武器を当てに行くタイミング、避けるタイミング、
詠唱戦の基礎的な知識、RUNの重要性を色んな方に教えてもらいつつ
見て盗みながら少しずつ成長していました。

そしてPIT歴2カ月目に差し掛かった12月末、

私的PIT遍歴の中でも大きな事件が発生したのです。




別のゲームに熱中してしまい失踪しました。




アカウントのGTも切れた状態で放置し、
失踪中に大和では第一回PIT大会などが開催されていたり、
ルールも武器を使用しない詠唱戦ルールがメインになっている事など知る由もなく

Apex Legendsやら格闘ゲームやらに熱中していました。



そして2020年4月頃、


ふとUltimaOnlineの事を思い出し、アカウントにログインを試みると
"GTを入れてないのにログイン出来た"のです。


そう、GTが切れて120日間経過するとアカウントがEJ化し、無料で遊べるのです。

狩りに飽きており、PIT以外にやりたい事がなくなっていた私には朗報でした。


ログインして速攻でPITに向かい、
意気揚々と「木刀でぶん殴ってやろう」と思っていると
「誰も武器を装備してない」という光景を目の当たりにしました。


「あれ?武器無しになったんすか?」と聞くと
「出雲のPIT勢が詠唱戦ルールを取り入れた」
との事でした。

UOA無し2Dクライアントの素材そのままおじさんだった私には
ある意味で武器は救いでもありました。


しかし、郷に入っては郷に従えの精神で武器を投げ捨て


スペルブックを握りしめ新たなスタートを切る事になりました。


復帰初日の私を例えるなら

"うんこ"

という表現以外に表しようがないほどに下手になっていました。

武器も使えず、誤魔化しの効かない純粋な詠唱技術を競い合うスタイルになっていた為です。

そしてPITを遊ぶ際に私を苦しめた現象がありました。

「ヒールのみ詠唱妨害されると2秒間何も詠唱出来ない」

という謎の病にかかっていたのです。



つまり、回復しようとして相手が妨害してきたら
2秒間(1stサークル4回分)何も出来ず、
右往左往する事しか出来ない状況に陥る現象が発生していました。

「もうだめぽ・・・」と思っていた時、

出雲PIT勢のPanna cotta氏に、
「UltimaOnline SAクライアント」の存在を教えてもらいました。


2Dクライアントの見た目に思い入れがある事と、

SAクライアントのペーパードールが

絶望的にダサい事から手を出してきませんでしたが、



「力が欲しい・・・強くなれるならガニ股クソダサペーパードールも受け入れる!」
と決意し、SAクライアントを導入しました。

様々な設定を教えてもらいつつ、
30分程度で設定が完了し、いざ実践へ!

「これで俺も主人公だ!」とテンションぶち上げマックスハート状態でリングイン!








5秒で死にました。






2Dクライアントと比べ、
入力ラグや表示ラグが"少なすぎて"まともに詠唱出来ずに敗北する始末。


2Dクライアントであれば、0.25経過前にマクロを押した場合でも、
事前入力、ラグ込みで丁度0.25消化という感じだった為、

同じ感覚で操作していると「入力が早すぎる」という事態に陥り、

自らの手で魔法を消しまくるという体たらくをぶちかましていました。




しかし、三日も経過する頃にはSAクライアントに慣れ始め、
2Dの頃に発生していたヒール妨害時2秒間右往左往症候群も解消されており、

私が2Dを使用していた時には難しかった「理想の動き」をゲームに反映し始めていました。

 



そしてここからが私の大きな転機となります。


ここらへんからこれをBGMにしながら見るといいかもです



SAクライアントを使用し始めて数週間経過した頃、

詠唱戦にも慣れ、

 

 

詠唱戦に関する純粋な疑問が次から次へと湧き上がってくるようになっていました。

 

 

 

 

 

Magic Arrowに対してリターンを取れる動きは?

遅延が着弾するまでの1.25秒で何が出来る?何をすればいい?

あまり使われていない魔法は何故使われていない?

あの人のあの動きは効果的なのか?

ちくわ大明神

何故回復しなければいけないんだ?

回復って必要なのか?

どうすれば効果的なRUNが出来る?

相手の1stを妨害するにはどうすればいい?

 

等々等々、、、

 

 

試合を重ねれば重ねる程、

 

誇張なしに数百個以上の疑問が頭の中に浮かんできました。

 

 

そのたびにスペルブックを開き、

 

64個ある魔法を見つめながら頭の中で疑問となっている状況を再現し、

 

より効率的に、効果的な行動を模索し始めていました。

 

そして脳内で疑問点を解消しつつ、

脳内PITを行い続ける事一か月間。

 

私の脳内にいる対戦相手は常に「私が嫌がる行動」を取り続ける

最強のPITマシーンと化しつつありました。

 

ありとあらゆる疑問点を脳内で解決にするにつれ、

脳内のPITマシーンこと「大石さん」は強化され続けていたのです。

 

試合開始直後の一番最初に放つ魔法すら的確に私の魔法を上回り、

 

RUNは最短最適ルート、

 

私がHarmを唱えると開放する瞬間に一歩離れダメージを軽減してくる。

 

 

さながらモハメド・アリを彷彿とさせる立ち回りを見せつけてきた。

 

 

 

ヒールをさせまいと私が即時魔法を詠唱し終えると

 

タイミングをずらし、私の即時魔法を受けた瞬間に回復をし始める。

 

 

ありとあらゆる手段を尽くしても「大石さん」には敵う事はなかったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

己の肉体と詠唱に限界を感じ悩みぬいた結果

 

Oisiがたどり着いた結果は感謝であった

 

自分自身を育ててくれたPITへの限りなく大きな恩自分なりに返そうと思いたったのが

 

一日一万回 感謝のHarm!!

 

気を整え 拝み 祈り 構えて Harm

 

一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒

 

一万回を唱え終えるまでに初日は18時間以上費やした

 

唱え終えれば倒れるように寝る 起きてまた唱えるを繰り返す日々

 

2ヶ月が過ぎたころ異変に気付く

 

一万回唱え終えても日が暮れていない

 

齢27を超えて完全に羽化する

 

感謝のHarm一万回 一時間切る!!

 

かわりに 祈る時間が増えた

 

山を下りた時に OisiのHarmは 音を置き去りにした

 

HUNTERxHUNTER 25巻の263話「突入⑤」より引用

© SHUEISHA Inc.

 

 

 

そう、私は気づいたのです。

脳内PITマシーン「大石さん」と戦い続ける事数千戦」

 

大石さんが苦しみ、追い詰められ始めたのです。

 

最適解の行動を行い続ける大石さん。

それでも私に対して苦戦をしている。

 

気付けばありとあらゆる人の強さを模倣していた私を吸収し、

強大で恐ろしく大きな壁として立ちはだかっていた大石さんを

 

 

 

 

今度は私が吸収し始めたのです。

 

 

 

相手が嫌がる的確な魔法選択

 

遅延魔法による被妨害の少なさ

 

遅延魔法の着弾タイミングに合わせた最適解の詠唱

 

ちくわ大明神

 

HP管理の正確さ

 

相手の心理状況を見透かしたかのような動き

 

ありとあらゆる詠唱に対して相手が最も嫌がる行動の構築

 

 

 

PITに適応しはじめた脳が膨大な情報量を私の指先に反映し始めたのです。

 

 

 

その後も大石さんと戦い続け、

 

大石さんはついに私の前に屈する事となりました。

 

その時に完成したのが「おいしい流」です。

ダサい。

 

大和第二回PIT大会でも見せた動きですが、

 

完成までに3カ月、

 

脳内での試合数を含めれば数千戦を要しました。

 

現実時間での期間は短いように思えます。

 

 

「たったの3ヶ月で何がおいしい流だよキモいわ」

 

 

という意見も至極真っ当だと思います。

 

 

 

しかし、一切の嘘偽りなく

私は3ヶ月間で"凄まじく強いPIT最強マシーン相手"「数千戦」を行いました。

 

脳内で。

 

しかし、人間は脳がすべてです。

感情も、肉体を動かすのも、動かす為に必要な電気を流すのも全て脳です。

 

私は実戦形式の「肉体」を使う方法ではなく、

 

際限なく検証出来る、

 

理論値を高められる、

 

理想の相手を作り上げる事が出来る「脳」を使う方法を選びました。

 

 

 

全ての魔法ひとつひとつに対し、全ての魔法ひとつひとつで返し、

最も効果的だったパターンを現実に起用する。

 

他のゲームであればAIM力(照準を瞬時に相手の弱点へ持っていく事)や、

コマンド入力の正確さが求められるため、

実戦形式の練習が効果的だと思っていますが、

 

UOに関してはありとあらゆる事象がシステムで管理されており、

 

肉体的な練習よりも、知識や脳の処理速度を上げた方が実力向上に繋がると思ったのです。

 

 

 

今の私は自信を持ってこう言えます

「UltimaOnlineの歴史上で最も詠唱戦ルールPITに関して努力をしたのは私だ」と。

 

 

 

 

 

 

 

出雲勢に教えを乞う立場だった私が今では出雲勢に教える立場になっています。

 

 

 

 

※時系列はあやふやです※

 

私が試合中、常にループして流している曲をご紹介して本記事を締めたいと思います。

 

落ち着きがある序盤とアップテンポなテクノ感が混じっており、

心拍数の向上とアドレナリンの分泌がいい感じになり、

詠唱テンポが良い感じになったりしたりします。

 

※効果には個人差があります。

 

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