自民党の杉田水脈衆議院議員が子どもを持たない性的少数者(LGBT)に対して「生産性がない」と発言した問題で各方面から批判が殺到している。

 

この言葉は過激だし、この発言はLGBTに限らず、子どもがいる、いない、を生産性や国民の義務といった視点で政治家が語る事自体が愚かでしかない。いつの時代の国なのかといいたい。

 

確かに、少子化の問題は我が国にとって喫緊の課題だが、子を持つか持たないかはそれぞれのカップルや家庭の自由であるわけですし、政治が口を出す話ではない。政治が少子化や子育てに対して問題意識があるなら、それは税制面や子育て支援に力を入れるべき話で、子を持たない者を「生産性がない」等と排他的に語るものではない。

 

また、この杉田議員の発言に対して政府・与党も事の重大さを理解していないのではないかと感じる。自民党の二階幹事長は「人それぞれの人生観がある」と擁護しているが、「人それぞれの人生観」と擁護すれば、テロだろうと犯罪だろうと何でも許されるという論法にもつながりかねないので、事の本質を理解しなさすぎなのではないかと感じる。彼らの考えは国民があっての国家ではなく、国家あっての国民なのかもしれない。

 

同時に、自民党の中で杉田議員の発言に対してSNS上で言及している議員達もいるが、彼らが本当にそう感じているのなら、SNSというバーチャルな安全な所でばかり語るのではなく、本人や自民党総裁や幹事長に対して厳しい申し入れをするべきだ。そんな根性もないのにパフォーマンスだけでこの問題を利用としても何の解決にもならない。

 

それにしても、自民党のこの傲慢な横暴な政治は許されるわけではない。権力は長期化すると腐敗するというが、自民党の「魔の二回生」の問題やモリ・カケ問題の対処や財務省、厚労省の不祥事、野田総務大臣に対する金融庁からの開示請求の漏えい等々、あまりにも次から次へと問題がでてくる。

 

やはり批判ばかりでない健全な野党が必要で、緊張感のある二大政党制で、いつでも政権交代可能な状況にならないと、日本はどんどん様々な面で沈んでいくと同時に時代遅れの国家になるのかもしれない。