国の新たなエネルギー基本計画が決定されました。原発については、「重要なベースロード電源」と位置づけられ、「再稼働を進める」とも明記された。また、使用済み核燃料を再処理する「核燃料サイクル」も推進されるという事です。



あの東京電力福島第一原発事故で未だ多くの人々が元の生活に戻れず、また、未だに原発事故を抑え込む事が出来ていない状態での今回の決定には疑問を感じます。一部、報道では「再稼働」だけにとどまらず、「新設」もこれで進むのではないかとの指摘もあります。


2012年の選挙の際には、自民党の候補者も「再稼働」は否定しなかったが、「新設」は否定をしていっていたし、「原発は減らす」とも訴えおりました。



「脱原発」に対抗して、「脱原発依存」言葉も生まれましたが、時間が経つにつれ、原発事故も風化し、「脱原発依存」という政策も曖昧にされてきていると感じます。



先日、福島から子ども達が保養キャンプで宮崎に来県しました。


あの原発事故によって、子ども達の生活にも様々な影響がでており、未だに放射性物質の影響でお外で遊べない子ども達もいるわけです。福島で遊べない子どもたちに、宮崎に来てもらって、思いっきり遊びや自然体験を満喫してもらおうと、NPO法人「アースウォーカーズ」が保養キャンプを主催し、私も出来る範囲で人を紹介したり、寄付のお願いをしたりお手伝いをさせていただきました。




保養キャンプにおいて、福島のお母さん達とお話をさせていただくと、原発事故から時間が経つにつれ、NPOなどが主催する保養キャンプも減少してきているようで、チェルノブイリ事故後の対応のように保養キャンプの行政サイドからの支援制度の設計を行ってもらいたいとの声もありました。




「ほんとだったら、私達もどこか避難したい。でも、家のローンもあるし、仕事もあるし。避難したくても避難できない人達は多いんではないでしょうか。いっその事、国が強制的に避難を指示してくれる方がありがたい・・.」と切に訴えておられました。




また、「行政は被曝に対する検査をしているけど、その結果は私達には一切知らせてくれないんです」とも言われました。本来であるなら、検査結果を親御さんに知らせるべきであり、国や行政が状態を監視する為の調査であるならば意味がないのではないかと感じます。



私自身、総理・大臣以外では初めて福島第一原発から20km圏内に入った議員で、その後も何度か福島を訪問しましたが、今回の保養キャンプでは、なかなか聞く事の出来ない、福島のお母さん達の声を数多くきかせてもらいました。放射能に対する夫婦間の考えの違いから衝突してしまったり、移住したくても親の介護で移住できなかったり、私達が報道等で目にする「原発事故の影響」とは違う側面のお話を聞く事ができました。


あの事故がなければ、平穏な暮らしだったものが、あの事故の影響で人間関係、生活環境、そして、身体等、様々なものに影響しております。




あの福島で犯してしまった過ちを、私達はまた繰り返すのでしょうか?




原発は止めなければなりません。この国は、今こそ、脱原発に舵を切りなおすべきだし、二度と同じ失敗を繰り返す事はできません。