子供を歴史好きにする方法 | ロサンゼルス「優塾USA」の塾頭のブログ
新型コロナウイルスに関する情報について

ロサンゼルス「優塾USA」の塾頭のブログ

カリフォルニア州において生徒数1位の学習塾「優塾USA」の塾頭による教育と子育てに関するコラム

この教育通信に何回も書いてきましたが、私(井沢)は小学生のときから高校まで、歴史が大嫌いでした。高2の三学期期末試験において日本史で6点(100点満点)を取ったとき、先生に「なんで終わったことを習うの。未来を見ようよ、未来を」と歴史の先生に楯突いたことがあります。(なんて嫌なガキ!)

 そんな私でしたが今では歴史が大好きで、司馬遼太郎の本はかなり読んでいますし、吉川英治や山岡壮八も何冊か読んでいます。日本の歴史だけでなく、中国やヨーロッパの歴史も好きになりました。なんで、あんなに嫌いだった歴史がこんなに好きになったのか。思い返してみると、きっかけは学生時代の行きつけの喫茶店で読んだ漫画でした。その喫茶店には漫画が何冊も置いてあり、たまたま暇な時に普段なら絶対に読まないようなマイナーな漫画、「徳川家康」(山岡荘八原作、横山光輝画、全23巻)を読んだのです。ふーん、徳川家康ってこんな人だったんだ。と初めて知り、次にそこで読んだのが同じ作者の「三国志」(全60巻)。読み終わったときは歴史のとりこになっていました。それから原作を読んでみたくなり、「三国志」から始まって、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、武田信玄などの戦国時代の英雄もの、そして「項羽と劉邦」、「竜馬がゆく」、「坂の上の雲」、「十八史略」など様々な本を読んでいきました。

「寺田屋事件」、「三国干渉」などの教科書で習った言葉が出てくるたびに、「そういうことだったのか! なんで、学校じゃぁこういうふうにおもしろく教えてくれないんだよ」と恨めしく思いました。いえ、もしかしたら先生は話されていたかもしれませんが、歴史が嫌いな私が聞いてなかっただけですね。それにしても、大学生になって歴史を教科としてまったく習わなくなってからが好きになるとは・・・。なんでもっと早くあの漫画を読んでおかなかったんだろう。あ~、悔やまれる。もうちょっと早く、せめて高校1年生くらいでこれらの本を読んでいれば、あのテストで6点なんか取らずに済んだかもしれないのに。

子供にはそんなふうにはなってもらいたくない。できれば中学生くらいのうちから歴史を好きになってもらいたい。そこで、歴史に興味がない子に歴史を好きになってもらうためにも、いくつかお勧めの歴史の漫画をご紹介します。

 

学習漫画「日本の歴史」「世界の歴史」

集英社や小学館から出ている20冊くらいのシリーズです。学習漫画ですので普通の漫画ほど細かい面白いエピソードまでは描いていませんが、それでも教科書よりははるかに興味が持てるように描かれています。例えば、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)が曾我(そが)氏を倒したところなど、教科書では2人の出会いなどは一切書かれておらず、「中大兄皇子は中臣鎌足らとともに曾我氏を倒した」とたったの1行で終わっていますが、この漫画では、2人の出会ったあの蹴鞠のシーンから曽我氏を倒すところまでを20ページにわたって描かれています。歴史ってやっぱりこうでないと。起こった事実だけではなく、なぜその事件が起きたのか、その事件にまつわるエピソード、その事件がどんな影響を及ぼしたのか、などを書いてほしいものです。書いてないと無味乾燥で終わってしまいますよね。

残念ながらこのシリーズには「アメリカの歴史」はありません。「世界の歴史」の中にちょっとだけ出てきます。現地校で世界史やアメリカ史を習う子は、学校で習う前に読んでおいた方が良いでしょう。

 

「徳川家康」 横山光輝

上にも書いたように、私が歴史を好きになるきっかけとなった本です。徳川家康の偉大さがよく分かります。また他の戦国大名や武士や庶民の生活など戦国時代のことがよく分かります。家康は長男を信長によって切腹させられているんですね。この本で初めて知りました。横山光輝の歴史漫画は他にも「織田信長」、「豊臣秀吉」、「武田信玄」などもありますが、この本に信長も秀吉も出てくるので、とりあえずはこの家康を読みましょう。さらに歴史に興味が沸いたら、同じ作者の中国の歴史の「項羽と劉邦」や「三国志」も面白いです。いずれも小学高学年以上向け。

 

「風雲児たち」 みなもと太郎

幕末の風雲児たち坂本竜馬、西郷隆盛、吉田松陰、高杉晋作などの活躍を描こうとし、それら風雲児たちがなぜ土佐・薩摩・長州の三国からばかり出てきたのか、その原因となった関ケ原の合戦の場面から漫画は始まります。関ヶ原が終わった後は幕末に行く予定だったようですが、描いているうちにそのまま江戸時代に突入し、平賀源内、杉田玄白、伊能忠敬、高野長英、果ては遠山の金さん(実在したんですね)などの江戸時代の英雄が様々なエピソードと共に描かれています。江戸時代なんか、これと言った動きもなく退屈な時代かと思ったら、そんなことはまったくなく、教科書には出てこないような英雄がキラ星のごとくこの本には出てきます。

結局このシリーズは幕末には行かず20巻で完結し、幕末に関しては「幕末編」として新たにスタートし今も連載中、現在30巻まで出ています。この漫画は本当におもしろく勉強にもなります。子供を歴史好きにするにはこれ以上の本は無いのではないか、学校で副教材として採用すべきだ、とすら思います。大人も十分に楽しめます。騙されたと思って、とりあえず1巻を買われてみてはいかがでしょう。これも小学高学年以上向け。プレイノ校には置いてあります。

 

「はだしのゲン」 中沢啓治

原爆投下前後の広島を舞台に、明るく元気に生きる少年の話。戦争、原爆の悲惨さを教えてくれます。戦争中に生まれなくて本当に良かったと痛感し、今の平和の時代に感謝します。

ただ後半で、戦争に反対するためには殺人をも肯定する発言まで出てきて、イデオロギー色が濃くなるので、お勧めは4巻までです。

 

「戦争論」 小林よしのり

戦争はおもしろいと、言いきってしまうところがすごいです。「とにかく日本は悪かった」という歴史教育を受けてきた私達には、その当時の日本の追い詰められた状況、日本に戦争をさせようといろいろ画策していたアメリカのことなどが描かれており、いろいろ考えさせられます。昔の日本のおじいちゃんたちに感謝する気持ちになるでしょう。中学生以上向け。

 

ベルサイユのばら 池田理代子

ナウい世代には懐かしい、ご存知「ベルばら」。勉強になるのは2点あります。一つは革命前後のフランス社会、そしてもう一つは敬語。貴族社会が描かれているので、敬語がたくさん出てきます。日ごろ敬語に接する機会のないアメリカに住んでいる子供たちには、良いテキストになると思います。

 

面白い歴史漫画は他にもまだまだありますが、上に挙げた歴史漫画は史実にも忠実で(ベルばら以外)、面白いだけでなく勉強にもなります。ぜひとも子供に買ってみてください。子供がそれで歴史が好きになってくれるんだったら、1000ドルだって投資する価値はありますよ。