「幻影の街」西岸良平 | iz-f の ほとんどヒトリゴト

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「けいおん!」「たまこまーけっと」を中心に、大昔のアニメやマンガも少々。
 一部最近のも。
BABYMETALがかなり増えてるDEATH!

※記事の内容に関して具体性のある
  コメントのみリプライします。

これもオリジナルは相当古いマンガです。

西岸良平氏「幻影の街」


例のきらら別冊付録「100ムギ」を読んでたら思い出したのですが
手元に単行本がないので、Amazonから探して文庫版を買いました。


新生活読本魔術師 (双葉文庫名作シリーズ)/西岸 良平
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西岸良平というと、古臭い絵柄でノスタルジックな話を描く人という
イメージがあるかもしれません。


絵柄については、デビュー時すでに編集から「老成しすぎている」と
言われたくらいでずっと変わっていないのです。



あと、彼の描く人物は記号なので、極限までシンプルです。


でも、とても良くできた記号なので、ちゃんと美人は美人とわかるし、
カワイコちゃん(死語)はカワイコちゃんとわかる区別がつく描き方に
なっています。


これだと短い話の中でもどんな人物か画ですぐに分かるし、感情も同様に
冷や汗、鼻息、紅潮した頬などの記号で表現されているので、その表情の
描き方とあわせて、具体的な喜怒哀楽がわかりやすくなっています。



「ノスタルジックな話」というのも、代表作が「三丁目の夕日」になってる
せいかなと思いますが、あれも連載開始時は「ちょっと前の話」だったのが、
いつの間にか「大昔の話」になってしまっただけです。



で、「幻影の街」ですが、はじめて読んだのはメチャクチャ大昔で、多分掲載
本誌の方だったような気がします。


今でこそ、こういう内容はあふれていますが、読んだ当時はプロットがうまく
できていることもあって、とても新鮮な驚きがありました。



出だしは主人公が大学生の頃の思い出で、全共闘やベトナム戦争の時代です。


さすがに今はフィルムで映画を撮っている学生は殆どいないでしょうけど、映研
みたいなところで自主製作の映画を作ってる人は、機材も手に入りやすいから
結構いるのかな。


話の終盤はそれから10年後で、作品掲載時の現代になります。


あとは読んでのお楽しみで・・・



余談ですが、細野晴臣氏と高校、大学で同級生だったのは有名で、西岸氏の作品を
見た細野氏が「こいつにはかなわない」と漫画家を諦めたとか。



引き延ばせばもっと長い話にできそうな内容も多いのですが、あえてそうしないので
密度が高いです。


あと、カワイイ絵柄にダマサれそうになりますが、描いてる内容は結構非情だったり
します。むしろ、あの画風でなければキツイ話も多い。




「ミステリアン」は、地球を調査するためにやってきた宇宙人の話です。


ヒロインは風俗に勤めるし、すぐアル中になるしで、どうしようもないのですが
なぜかカワイイ。



SFシリーズ ミステリアン (双葉文庫名作シリーズ)/西岸 良平
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基本コミカルな内容ですが、よく考えると随分辛辣なことも描いています。





「三丁目の夕日」しか知らない人には、この辺の短篇集を読んで見ることを
オススメします。



ロマン劇場地球最後の日 (双葉文庫名作シリーズ)/西岸 良平
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あっさりとドライにとんでもなく救いのない話です。