小便ホールインワン | 厠(かわや)イヤミ百景

小便ホールインワン



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「トイレは、みんなで

きれいに、さわやかに。  」



朝のラジオ体操なんかのキャッチフレーズかと思いそうになるが、「トイレは、」とついている上に、トイレ内に貼られているからにはトイレのことだろう。


「トイレは、」のところを、


「街は、」

「ご近所は、」

「お地蔵さんは、」

「公園は、」

「家は、」

「田中さん(仮名)の家は、」

「公園で寝ている田中さんの家らしきブルーシートは、」


に置き換えても通用しそうだ。



みんなで使用するものであると、公共性を持たすことによって個々のモラルハザードを抑えようと呼びかけるタイプの厠貼り紙だ。


全力で走った後の息切れの如し、一言ごと短いセリフで区切られた一句は、4、4、4、5。

黄色の紙に、親しみの持てる丸みを帯びた一筆はここの商業施設の誰かが書いたものだろう。


「さわやかに」の後の句点こと「。」だけが、マジックではなくボールペンらしきもので書かれているのは、一度貼り終えてから、締めの「。」を書き忘れていたことに気付いたのだろう。普通なら、そんなところなど放っておけばいいものの、何かしら律儀な性格なのか後から書き足したと思われる。

そういうところは細かいが、ペンの種類を合わせなかったところはどうなんだろう。

変なところに拘る人なのかもしれない。



なんて人物像を想像したところで、「。」第三者のただの気まぐれによる落書きだったりするかもしれないのだ。




他には、





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「 お知らせ

消防署の、ご指導により、

店内は、禁煙となって居ります。

ご協力、お願い致します。

      (株)●●●●●店   」



トイレも含め店内ということ。


それにしても、こちらは先ほどの手書きのものと違ってプリントしたもののようだが、「、」の打ち方・・・。

この細かい息切れ「、」の打ち方は、おそらく先ほどの一筆と同じ方が入力したものだろう。

多分そうだ。


目隠しされて、ポカリスエットとスイカの汁の味を見極めるぐらい分かりやすい特徴の有る句読点の打ち方は、見たこともないあの人に違いない。


さわやかさんに違いない。


句読点にこだわりのある、さわやかさんに違いない。


どうせなら、


「お、知、ら、せ」


と区切らなかったところが悔やまれる。



ここのトイレではもう貼り紙はないなと見渡したところ・・・、









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なにか、お花の先生が生けたと思われる作品があった。

作品名はなんだろう。


「トイレの混沌と静寂」

「無理やりな棚」

「白きジェットストリームアタック」


といったところか?

個室と壁の隙間、明らかにデッドゾーンになっていた箇所に、これまた明らかにDIY(Do It Yourself)精神よろしく後付けされた棚に、何も隠そうともせず並べられたストックのトイレットペーパー。


別称「トイレットペーパーの予備こんだけです」


とも呼べる。


それだけならまだしも、先ほども触れたが、








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何、この花瓶、もといトイレットペーパーの扱いは?


花ありきのトイレットペーパーであり、トイレットペーパーありきの花でもある。

本来なら「花」のところは「尻」という単語がはいるべきだが、ここではトイレの一輪の花を支えるべくトイレットペーパーが活躍している。


トイレットペーパーの芯の穴はホルダーに通すだけではなく、入るものはとりあえず入れてみよう精神の試みがこれだろう。

紙の量に余裕のときは縦に立てて、花を始め、鉛筆や箸、なんならちくわだって挿すことが可能だ。

形と空間を無駄にしないという点ではむしろ誉めるべきではないか?

一応お店としてこういう趣向はマイナスに思われがちだが、逆手に取れば、ここまでしてトイレに花を飾りたかった想いは買いではないか?


造花だがな。

造花だがな。

造花だがな。

これが本物の花で水が必要となれば、まっ先にその容器となっているペーパーが溶け出すことだろう。

水溶性であることを、その身をもって証明してくれることだろう。


一流デパートではさすがにこのような趣向は拝見することはないが。ここは地域密着主義、激動の昭和も一生懸命頑張りぬきましたといった感じの商業施設なので許される。

道のすぐ横では、これまた闇市の頃からあったような商店街が、今もシャッターを昼間っから閉めることもなく活気よく商いを展開している。

むしろまだ昭和臭がする商店のことを、私は大好きだ。


それゆえに花もトイレットペーパーのどちらも違和感なしに、このトイレの一角に収まりきっている。

まるでそうであることが当然かのようにだ。




そしてその鑑賞に答えるべく、







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トイレットペーパーには、店名・住所・電話番号が印鑑で押され済みである。

ここオンリーのトイレットペーパーだと。

さあ、見てくんろと。


またここのトイレのものだと誇示することで、持ち帰りを防ぐ意味合いも兼ねていると思われる。

持ち帰られたところで多少なりの宣伝にもなる。なんならその面を、水戸黄門の印籠の如く腕を前に突き出して、街を歩いてもらいたいくらいだろう。



残念なのは、使用していけばいくほどに徐々に店の情報が消えて行ってしまうことだ。しかも使用時に一巻きぐらいの薄さでは、横の文字など読めたものじゃない。




さて、デッドスペースを何とかして華のある、まさに花(造花)のある箇所に作り変えた棚をいじるのはこれでいいかなと思っていた矢先である。





私は見つけてしまった。






見逃さなかった。










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棚の下の壁に何かが貼られているではないか?


私の身長が177センチ。

棚の高さが約140センチから150センチの間。


その場合私の目の高さから、下方へ目線を向けた場合には棚・トイレットペーパーの上部しか見えていなかったのだが、ちょっとその棚がある壁から離れた一瞬に何かがチラッと目線の隅に入ったのだ。





何かがあると。







そしてもしやと屈んだ先にあったものは、











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なんかおる!


なんか可愛らしいのがおるがね!



もはや気分は何かしらの遺跡を発掘してしまったかのようだ。これは発見だ!







では、拡大してみよう。

ちなみに棚の下のために、ただでさえ暗いトイレの中で、さらに月の裏の如く明かりがなかったためにフラッシュを焚かしてもらった。

トイレでフラッシュは非常に危険である。それはトイレ内で、あってはならない光だからだ。

第三者の目に入れば、もはや弁解の言葉なしのところだが、この時は運良く私以外にトイレの利用者の姿はなかった。


では見て頂こう。









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「トイレはきれいに」


青空の下のゴルフ場と思われるところで、これでもかと愛くるしい笑顔の擬人化されたダックがそこにいた。

モザイク処理をさせてもらったところは、某引越し社の社名と電話番号が入っており、その社名からこのわんぱくダックが結びつくこととなる。察しのいい方ならば、どこの引っ越し屋さんかは分かるだろう。



これは、もう少しで見逃してしまうところだった。

ただでさえ低めの棚なのに、加えてその上にこれでもかと目立つような花(造花)の生け方がされたトイレットペーパーという目立つ存在があったために、それだけで満足してしまうところだった。


野生の勘と言うか、「厠の勘」「ここにも貼り紙あるねんで!」と教えてくれたのだろう。

気付くことが出来て本当によかった。

このダックの笑顔に出会えなくなるところだったではないか。

これによってますます棚が後付けされたことが証明された。普通、棚のすぐ下にこんなシールは貼ったりしない。

つまりはシールが先に壁に貼られており、後になって予備のトイレットペーパーの置き場所もとい花の生け場所が作られたのだ。



それでも剥がされてなかったのは、この日のためと思いたいところだ。

出逢うべくして出逢ったと思いたい。





ところで便器の比喩だとは分かるのだが、よくよく見れば、この子ってばゴルフのグリーンのカップに立ち小便しているではないか?いい子はこんなことしては駄目だ。例え、わんぱくダックでもだ。



小便のホールインワンは便器のみでお願いします。





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