昨日は、お客様との会議があり、その中で、労災隠しについての議題で随分と話し合われました。

 

労災隠しとは?

 

労働災害による怪我を、個人的にやった怪我として虚偽の報告をして、健康保険にて医療処置を行ったり、現金で診療を行わせたりすること

 

労働災害による怪我の状況、災害場所等を別の場所でやったことにしたり、虚偽の状況を報告してしまうこと

 

大まかには、この二つです。

 

また、労働災害には、重大災害、休業災害、不休業災害とあります。

 

もし、作業員が、怪我を負ってしまったら?

 

 

さあ、ここからが、怪我をした作業員と共に、現場監督者、現場責任者他、自分達経営者を苦しめる状況がやってきます。

 

なぜ、労働災害を隠したくなるのか?

 

これは、責任者クラス以上でなければ、その意味を本当の意味で知ることはできません。一般の方は、その経験が無いでしょうから、単にそれは、法律違反であり、コンプライアンスに反するものだと即座に言い放つでしょう。

 

ですが、本来、罪の意識というものは、やってみなければ、本当の意味は理解できないと自分は考えております。

 

この労災隠しというものは、その事象の裏に、どれだけの辛い思いが、被災者、責任者、経営者に重く降り注ぐのかを、まず、多くの方が理解するところから話を進めない事には、労災隠しの事案は、根を絶たないとも考える自分です。

 

まず、被災者についてですが、怪我をしたら当然、痛い目に遭います。骨を折ったりすると、生活に支障も出ますが、一度労災を起せば、後々数年に渡り、その怪我を負った不名誉な行為について、延々と言われたり、陰口を叩かれたりすることの他、怪我をする人間など、現場には要らないと言われたりすることも無きにしも非ずです。

 

ということで、被災者についても、なるべく現場でやった怪我を隠蔽し、自宅や外で怪我をしたことにし、虚偽の報告をしたくなる。

 

これが、作業者目線の、労災隠しの動機です。

 

次に、現場監督者と、作業責任者は、どういったことを思うのか?

 

まず、怪我をしてしまったら、ほぼ、今やっている現場の作業は、全てストップしてしまいます。小さい現場では、数名の規模で済みますが、大きな現場では、数十名、いや、数百名の規模の労働が一斉にストップすることもあります。

 

そうしてストップした後は、災害対策会議、そして、工事着工の許可申請をし、客先より承認を得てからの工事開始となる為、それに関わる労力や、客先へのご迷惑などを考えると、どうしても、労災というものを隠蔽してそれを避けようと思ってしまいます。

 

何よりも、作業者が怪我をするような指示や、作業をさせていなかったか?など、相当に責められる可能性もあることもその隠蔽の動機にあります。

 

次に経営者は、どう思うのか?

 

現場で、怪我の状況を聞けば、まず、その被災者の状況というものを目視したくなります。これは、実際目で見て、被災者がどういう状況であるか、確認する為です。現場監督者に、まずその状況を電話で確認し、その状況から、あまり酷くないようだったら、事を小さく出来ないだろうか?とどうしても考えてしまうのです。そして、あまり酷くない状況であれば、どうしても病院には行ってほしくない、或いは、現金を被災者に渡し、個人的に怪我をしたと隠蔽したくなるものです。

 

なぜ、隠蔽したくなるのかというとその動機は、やはり、客先に迷惑を掛けたくない、或いは、現場に負担をかけたくないというものです。

 

 

結局、労災を隠したくなるその動機の根底は、簡単に纏めると、

 

叱られたくないから

 

迷惑をかけたくないから

 

取引を停止されたり、その作業員を使ってくれなくなるから

 

 

簡単に言うと、人間関係では無いでしょうか?

 

 

しかしながら、今のご時世、ツイッターをはじめとするSNSが流行っていて、労災隠しは、漏洩する可能性が高いこと、或いは、一旦は隠せても、後々の被災者の予後が優れないことでの保障問題でのトラブル、そして、関係者の人間関係悪化からの内部告発等で、ほぼ、労災隠しは隠蔽できないと考えられます。

 

それでも、それでもなお、、、

 

労災を隠したくなるのが、人間ってものです。

 

複雑な人間関係と、迷惑をかけたくない意識、不名誉を死ぬほど嫌う意識が、どうしても隠蔽しようと心に囁くのです。

 

よく、国会などで、隠蔽のことが話題になっておりますが、根っこは、ほぼ同じようなことでしょう。

 

 

叱られたくないから

 

迷惑をかけたくないから

 

取引を停止されたり、その作業員を使ってくれなくなるから

 

 

これが、つきまとっている筈です。

 

それゆえ、

 

忖度

 

こういったことが行われる筈です。

 

しかし、この事象の裏には、上下社会という構造がそこにあることを自分達は、知るべきでしょう。

 

怪我をして、正直に正確に即座に報告したことに対し、よく報告してくれたと褒めること、怪我をしたことを後々まで陰口を叩かないこと、怪我後の現場対策をなるべく簡素にすること、作業ロスを極力無くすこと

 

こういった現場作りの雰囲気を作って行かない事には、労災隠しの違反は、本当の意味で無くなっては行かないのではないか?

 

そう考えている自分です。

 

日本は、稲穂の国です。

 

偉くなればなるほどに、頭を下げていかねば認められない国です。

 

であれば、部下を馬鹿やアホなどと威張って罵ってはいけない。部下のミス、下請けさんのミスに対し、大きなペナルティを与えるようなことをしてはいけない。

 

自分自身、このことを肝に命じて参ります。