「岩田さ~ん、岩田祥孝さ~ん」とご指名コールがあったので行ってみた。するとそこにはなんと天海祐希が…いや天海祐希似の美人がメモ帳を持って立っている。その様はまるでインタビュアー。いろいろと質問をしてそれに答える僕。そして僕の発言を細かくメモにとる天海さん。一瞬本来の患者と看護士という関係性を忘れてしまうほど。

インタビューが終わって次に案内されたのはここのボス、事務所社長的な立場の男のところだ。入り口のカーテンをめくって中に入るや早々服を脱げと言われる。なんだなんだ?いきなりボディーチェックか?まぁいいだろうじっくりと俺のボディーを観察するがいい!俺には何も恥じらうことなどない!冷んやりとした聴診器が肌に当たる「うっ!」あまりに冷たくて「うっ!」ってなってもーた。もぉーって顔の社長。再度チャレンジ!今度は大丈夫だ。さっきの「うっ」のおかげで聴診器が暖まっている。チャレンジ回数2で聴診器ゾーンをクリアして次へ進む。

つづいて案内されたのは吸入コーナー。これをくわえて砂時計がなくなったら教えてください。と、さっきの天海さんが。コォーーっと音をたてる吸入器をくわえながら砂時計を見つめる。眠い…眠い…眠い…うとうとしていると「岩田さん!」と深津絵里さんに肩をたたかれた。あれ?なんでここに深津さんが?砂時計はとっくに下に落ちきっている。疲れて一瞬眠ってしまったのだろうか…だとしたら相当かっこ悪い姿だったろうに…吸入器くわえてんだぜぃ????深津さんにすいませんと一声かけて待合室に戻る。あぁ、深津さんと断定した話し方になっていたが正しくは深津さん似の美人です。待合室に戻る。

「岩田さん、岩田祥孝さ~ん」

もうニヤりとはしない。さすがに慣れたのだろう。受付の中谷美紀を見るのはなんだか久々感がある。少し寂しかったが淡々とお金を支払ってその場をあとにした…帰りの車内…アンジェラアキの悲しめの曲が、胸に染みた。