行動経済学とは? ~安部 和人~

テーマ:

2017年のノーベル経済学賞に米シカゴ大の行動経済学者であるリチャード・セイラー教授が受賞されました。私は以前にセイラー教授の著書を拝読した事もあったため、今回の受賞には大変嬉しく思いました。


今回の受賞もあり、現在行動経済学が世間で非常に注目されています。そもそも、行動経済学とは従来の経済学とは何が違うのでしょうか?従来の経済学では、人間の行動は最も合理的な選択をするという大前提のもと理論づけされていますが、実際の現実世界では人間が経済学で言われているような最も合理的な選択をする事ができておらず、経済学では説明できない事がたくさんありました。行動経済学はその今までの経済理論では説明のつかない事や例外とする経済現象にスポットを当て心理学と融合した新しい経済学なのです。


例えば、「お金の価値は変わらない」という標準的な経済理論がありますが、現実の世界では実際にそうでしょうか?セイラー教授が研究し実験した結果に、もしあなたが携帯電話をあるお店に買いに行った際に値段が9千円で売られていたとし、その時に10分歩いた先に同じ携帯電話が8千円で売られているお店があるという情報を知った場合にあなたはどうするか質問された結果、ほとんどの人が安いお店の方に駆けつけるという答えになりました。

 

しかし、今度はテレビを買いに行き値段が19万9千円だったとし、その時に10分歩いた先に同じテレビが19万8千円で売られているお店があるという情報を知った場合にあなたはどうするかと質問された結果、ほとんどの人が駆けつけないという答えになりました。

 

この質問は、同じ10分歩いただけで千円得をするという話なのですが、場合によって判断が異なる結果となっており、人間の行動は最も合理的な選択をするという従来の経済学では説明できない事であります。この結果には私達は9千円の中の千円の方が19万9千円の中の千円より価値が高いという認識を無意識のうちにしてしまっているのです。つまり、汗水流して稼いだ10万円も宝くじで得た10万円も相続で得た10万円も本来であれば同じ価値のはずですが、私達は経験や感情によってお金に相対的な価値を付与している事がこの研究で発見されたのです。

 

このように、従来の経済学では説明できなかった現実の世界で起きている事を行動経済学で証明しており、その事が世間で今注目されている理由なのでしょう。

 

多様化するポイントサービス ~三宅 英二~

テーマ:

カードを提示すると多様な場所で使用(貯めることが)できるポイントを『共通ポイント』と呼びます。一方その店舗でしか使用できないポイントを『独自ポイント』と呼びます。


共通ポイントといえば、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が運営するTポイント、三菱商事の子会社LM(ロイヤリティ・マーケティング)が運営するPontaポイント、楽天市場が運営する楽天スーパーポイントが、現在は3強といわれており、そこにdocomoのdポイントが追随する形になっています。


独自ポイントといえば、よく知られているのは家電量販店各社のポイントや無印良品のMUJIポイントです。一般的には個人商店などが発行するスタンプやポイントなどが該当します。


最近では多くの店舗でポイントサービスが導入され、ポイントサービスがあるのが当たり前になっています。導入する側、使う側それぞれに共通ポイント、独自ポイントのメリット、デメリットがあり、そのメリット、デメリットも業種、業態によっても変わってきます。自社の商品、ブランド力で勝負できる店舗は独自のポイントで差別化をはかり、業種・業態的に独自のポイントサービスの運営が難しい店舗は、共通ポイントへ加盟が進むと思われます。その中でいかに顧客の心を掴むかはアイデア次第といえるでしょう。
消費者の行動も年々変わってきているのが実態です。いろいろな側面から賢く検討し、商品を購入しサービスを受ける時代になっています。売上を上げていくには、このようにあらゆる側面で、顧客をフォローしていくサービスが必要であるといえるでしょう。


共通ポイントも独自ポイントのいずれのポイントサービスもどちらも向き不向きの業態があり、一概に皆同じようなポイントサービスを運用すべきといえないのがポイントサービスの難しいところでもありながら、面白いところです。


ポイントサービスを運用しはじめたから、売上がすぐに上がるとはいえませんが、こういった顧客との関係性を見直し続けていくことが、売上向上のキーポイントになると考えられます。

 

相続放棄とは ~今井 彩乃~

テーマ:

みなさんは「相続」について考えたことがありますか?


相続というのは、必ずみなさんが体験するものだと思います。その中で、一度は聞いたことがあると思われる「相続放棄」について今回説明をさせていただきます。


相続が開始した場合(人が亡くなった場合)には、相続人は次の3つを選択することができます。
1つ目は「単純承認」と呼ばれるものです。これは、亡くなった方の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐことをいいます。


2つ目は「相続放棄」。亡くなった方の権利や義務を一切受け継がないことをいいます。
3つ目は「限定承認」。亡くなった方の債務がどの程度あるか不明であり、財産が残る可能性も有る場合等に相続人が相続によって得た財産の限度で亡くなった方の債務の負担を受け継ぐことを言います。


「相続放棄」と「限定承認」については、家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。ここで注意していただきたいのは、相続放棄するには、3カ月以内ということです。
どのタイミングから3か月以内かと言いますと、相続人自身が相続人と知った時からがはじまります。しかし、3か月以内に財産内容をすべて把握するということは難しいことです。
前述で説明した、単純承認・相続放棄・限定承認のどれかを選択できない場合には、家庭裁判所に申し立てることにより、この3カ月以内の期間を延ばすことが出来ます。
それが、「相続の承認または放棄の期間の伸長の申立て」です。家庭裁判所からの審判を受けることが出来れば期間の延長ができます。


上記のように、「相続放棄」というのは、実行するにはいろいろな手間がかかることが予想されます。そのため、生前からどのような財産があるかというのを家族みんなで共有することが必要です。
また相続が発生してから、放棄するには3か月以内、相続税の申告期限は10か月以内など、期限が決まっています。生前の家族間の話し合いが相続は大きく関わってくると思います。