卵管造影は卵管の通過性を検査するのですが、造影剤には油性造影剤と水溶性造影剤の2種類があります。
そもそも造影剤とはX線検査(レントゲン検査とも呼ばれる)で白くうつる物質です。
皆様よくご存知なのは胃透視(胃潰瘍や食道の検査の時に飲む白いドロドロした液体)のときに飲まれるバリウムがあります。卵管造影には油に溶けた油性か、水溶液の水性かどちらかを使います。
先のブログにも書きましたように、油性と水性は五分五分ぐらいで使われています。
それぞれの特徴については、先のブログで書きましたが、
当院では、痛くない、出血が少ない、造影後の妊娠率が高い、子宮外妊娠の確率が低い、などの利点を考え、油性造影剤を使って言います。妊娠後の流産率は、油性と水性の間に差はありません。
最近、さらに油性造影剤で、子宮内膜症のある患者様に卵管造影を行うと、さらに妊娠率が高いと報告されています。
子宮内膜症の患者様に油性造影剤で卵管造影を行うことで、妊孕性を高めるらしいという報告が出ています。
油性造影剤後の妊娠率の高いことは、1950年に既に報告されていますが、子宮内膜症合併の患者様に効果が高いという報告は初めてでした。
いずれにしても、油性造影剤を用いた卵管造影後は妊娠率が向上しますので、皆さま方も怖がらずに、希望をもって受けてください。当院の卵管造影は痛くないですから。