保険の年齢制限回数制限撤廃必要。 | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 健康保険の適用拡大が行われ、2022年4月1日から開始されました。

 ということは、2年後が保険の改定になりますから、2024年4月が不妊治療の保険適用の改定年でした。残念ながら、保険適用の年齢制限や回数制限の変更はありませんでした。

 

 最近、保険の回数制限や年齢制限を超えたための自費での体外受精件数が増えているような気がします。自費になると、いままであった助成金制度が無くなっていますので、まったく自費で賄わなければなりません。

 

 保険の回数制限や年齢制限は人権侵害だとわたしは考えています。

 国民皆保険の原則からすれば、保険料を支払っていれば、国民は全員、保険の恩恵に授かっていいはずです。

 何度も言いますが、高齢になれば健康保険の適用が外れるわけではありません。

 平均寿命を超えて生きていても保険適用となります。

 同じ病気であっても、再発すれば何度でも保険適用で治療が受けられます。

 そうでなければ、癌が再発しても何回か治療を受ければ、保険が効かなくなるということになります。

 

 不妊治療であっても、人工授精には年齢制限がない訳ですから、体外受精にのみ制限があるのは、生物学的におかしいのではないでしょうか?

 妊娠の可能性の観点から考えると、人工授精では43歳を越しても保険が使えることとに整合性がないと思います。極端に言えば、50歳以上でも排卵があれば人工授精で保険が使えるのですから。

 

 いずれにしても、今年度は体外受精の保険適用の変更はありませんでした。

 次回は2年後の2026年が改定年度に当たります。次回の年齢制限、回数制限の変更を期待したいものです。