12月21日(月曜日)NHKシブ5時の中で”子宮内フローラ”についてかなり詳しい報道がありました。

子宮内フローラの治療成績への効果はまだはっきりしていないのですが、この報道を見られた方の中には、この検査を希望される方が増えるのではと感じました。何にでも効果があるかのような報道でしたから。

 この報道の中では、

子宮腔内は無菌と考えられていたが、近年子宮の中にも細菌、主に乳酸菌、が存在することが明らかとなり、この乳酸菌の量と不妊治療や出産との関係が研究され始めた。

 先ず琉球大学での体外受精では、子宮内に乳酸菌の多い方が、少ない方より妊娠成績が良いと示されました。総数が示されていなかったので、どの程度の症例数かは分かりません。その理由として、①乳酸菌が子宮内環境を酸性にすることで他の有害細菌の増殖を防ぐ。②乳酸菌が何らかの機序で免疫機能をコントロールし胚の着床をし易くする。などが考えられるとのことでした。

 次に、不妊治療施設で乳酸菌を調べ、少ない患者様に、抗生物質と乳酸菌膣剤を投与したところ自然妊娠が成立したというものです。この例は体外受精ではありません。

 三番目に、北海道の早産が全国平均より多いということで、中標津の病院の医師が、腟内の乳酸菌を検査したところ、乳酸菌の少ない方で早産の多いことが分かりました。現在では腟内の乳酸菌を増やす治療で、早産が全国平均以下に低下したということです。

 

 以上のように、腟内や子宮内に乳酸菌が多く存在することが、生殖や出産に有益であることが分かってきたようです。とは言え、妊娠成立や出産には多くの要因が関係しており、まだこの説が確立されたわけではありません。研究段階が始まったところです。

 

 我々のクリニックでも”子宮内フローラ”の検査は実施しています。必要な方には抗菌剤の投与や乳酸菌腟剤の投与を実施しています。検査をご希望の方は、体外受精でも一般治療(タイミングや人工授精)の方でも、お申し出ください。十分にご説明の上、希望があれば外来で実施できます。