番外編:Kinoshitaインドの生殖学会へ インドで治療を行う医師3人にインタビュー。
正直、人生観かわりました・・・
こんにちは!Kinoshitaです。
世界で一番の人口となったインド
貧困な場所と急成長する都市が入り乱れ
現在では
IVFの需要も高まっていると聞いていたので
ずっとインドの生殖医療がどうなっているのか
関心がありました。
ここで
急激な人口増加をしているインドと
急激な人口減少を経験する日本を
比べてみましょう
| 項目 |
🇮🇳 インド |
🇯🇵 日本 |
| 総人口 |
約14.3億人 |
約1.23億人 |
| 世界順位 |
1位 |
12位前後 |
| 年間増減 |
増加中 |
減少中 |
| 年間増減率 |
約+0.8~1.0% |
約−0.4~−0.6% |
WikipediaやWorldData.infoなどでしらべても
すぐにこういったデータがでてくるわけです
現在では
超急成長インドの背景に
女性の社会進出
晩婚化
晩産化
という社会現象が
語られるように
なってきたようです
実際
■ 都市女性の初婚年齢
23歳 → 27歳以上へ急上昇
■ 第一子出産年齢
21歳 → 25〜28歳へ急上昇
■ 合計特殊出生率
約2.0(都市部では1.6前後)
→人口置換水準(2.1)を下回る州が多数
という急激な変化があるようです。
(国際労働機関・各国統計局データ — 年齢構成・労働参加率)
こういった中で
世界で一番人口が増えていたからこそ
インドでは
不妊症に悩む方がものすごい勢いで
増えているんだと考えていました。
今回、インドで大きな学会があったので
インドの培養士の方につないで頂き
参加してきました。
正直、
学会の雰囲気や賑やかさが
日本の学会とは全く違い
文化の違いに圧倒されましたが
しかし、、、
一歩外を出ると別世界の
ローカルなインドの景色が
この全てが混在している文化こそが
まさしくインドであることを
この頃はまだ知らず・・・
パニック状態で学会が始まりました。
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今回は正直、
学会の内容というより
何より
実際にインドで働くインドの先生達との
話合いが強烈すぎて
頭も心もいっぱいになりました。
今回のインド研修については
書き始めると
本1冊分くらいになりそうなので
簡単にだけまとめておきます。
これからの
自分の生き方や働き方を
日本という国を
考える時のためにも
また、
日本で治療をうける
みなさんにも知って欲しいこと
もたくさんあったので
自分のブログでも
まとめておきたいなと。
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まず
3人のインドの医師
1人目Dr:ローカル地域で20年近くIVFを支える医師
2人目Dr:IVFクリニックの二番手となる現役バリバリ医師
3人目Dr:大都会ムンバイ中心でクリニック開業中の医師
まず、
全ての医師から
共通して言われたことは
日本の体外受精の技術や設備は
本当に素晴らしい
インドでは日本のIVFを学びたいと思っている
医師が本当にたくさんいるんですと
熱く伝えてくれました。
そして、
その医療を支える日本の医療体制が
何よりも本当に素晴らしいと。
(もう脱帽だぜ。くらいのリアクションでした)
正直、これには私もびっくり!
日本の技術力や安全性に関して
インドの方々は本当に信用されているのが
街を見ていても感じ取れました。
車、家電、トイレ、公共交通機関、
あらゆるところが日本の製品と
なっていました。
最近は海外に行った時に
近隣国の車や電化製品を見ることが
多かったですが
インドでは本当に日本、日本、
ここまで日本への信用が
まだ残っているんだなと
感じた瞬間でした。
なんと
インドの新幹線も日本製で建設中でした
それでは
現場の本当の生の声が聞きたいと
ドクター達に聞いていきました。
インドの体外受精の現状
問題点、苦しまれている点
みさなんに教えてもらいました。
内容①
まずインド社会の急激な変化の中で
体外受精が急に選択肢として出てきたので
施設や医療者側の
申請や登録、
ガイドラインや、ライセンス
といったものがしっかりと整う前に
IVFクリニックが
ビジネスとして
いっきに広がって
いってしまったと
(2022年から法律で整備が始まったが・・・と)
Kinoshita感想)
実際私もびっくりしました
田舎でも都会でも関係なく
本当にひとつの通りに
次から次へとちがうIVFクリニックが
どんどんでてきます。
実際、MAPに出てこない
看板だけのIVFクリニックもたくさんあったので
密集度は日本の比ではありません
本当に驚きでした・・
内容②
まだまだ経済的に苦しい家族が
子供のためならと
夫婦だけでなく
家族とともに
夫婦・家族の全財産
30万円を
必死に集めて受診される方が多くいる
こういったご夫婦達は
治療内容がどうこうではなく
30万円で子供が授かることが
全てになる。
医師には
品質や治療内容、
個別治療より
より経済的で
より計画的で
より確実な
治療が何よりも
求められる環境であると
つまり
難治症例と考えられる場合
ほとんどのケースでは
自身の体について説明した上で
卵子提供となると
(20代のドナー卵子を使用すると)
クリニックによっては
30%以上の患者が
卵子提供で治療している事もあると。
自分達が世界の論文や学会に参加して
学んだとしても
それを実践できる患者が
圧倒的に少なく
一部の地域の極少数の患者だけに
絞られてしまう。
日本には
インドに比べると安定した経済があり
さらに保険まで存在する
医療が発展する環境が整っているはずと
Kinoshita感想)
正直この②の内容を聞いている時
私は涙が出てきました。・・・
自分が日本で生まれ
日本で医師となり
日本で生殖医療ができていること
が当たり前に感じてしまっていた
日本だからこそ
品質を求める医療ができるし
日本だからこそ
それを求めてくれる人たちがいてくれる
やはり
日本でやるなら
日本の生殖医療を更に前に進めたい
難治の人々が救われる医療を見つけたい
先人の体外受精の歴史を作ってくれた先人達が
驚いてくれるほどの歩みを作りたい
日本だからこそ
自分がやりたいこと、
自分のクリニックのありたい姿
実現できるんだと
実感することができました。
もうこの内容を話していた時は
脳も心も燃えまくっていました、、
内容③
簡単に卵子提供ができる環境があるのはなぜか?
必ずと言っていいほど、
卵子を提供してくれるドナーがそんなにも見つかるのか?
やはりこの部分においても
インドの経済的な部分が深く関わっている
様子でした。
ただ生活をするだけでも
まだまだ苦しい
世帯も数えきれないほどある。
そういった
決まった仕事がない家庭においては
卵子を提供することで得られる
3万円〜5万円という報酬が
大変魅力となり
卵子の確保が可能となっている
社会的な背景があると。
実施した人からの勧めで
そのかたが仲介役となって
経済的に厳しい方々の中から
希望者を募り
卵子のドナーが村々で
次々に見つかっていくようです。
2022年にインドでも
詳細が決まったルールが
できたようですが
その通り実施されているかのチェックや
管理する組織化などは
まだまだ難しいとのことでした。
生のお話を聞かせてもらうと
本当に日本では考えられないような
社会的な背景の中で
卵子の提供が行われている現実を
知りました。
現在、日本でも色々と
卵子提供について議論され
倫理的問題の解決や
法的な手続きの必要性など
議論されてはいますが、
実際のリアルな卵子提供治療を
考える場合において
日本の中で卵子のドナーを見つける厳しさ
倫理的な面を配慮する必要性
倫理的な面を配慮すればする程、卵子の確保が難しくなる
現実を実感することができた。
卵子提供治療が
生まれてくる子
提供するドナー
受け取るご夫婦
それぞれが理解し、
幸福となる権利を持ち、
納得した医療にするためには
本当に一つ一つの問題を地道に解決
しながら進めていくしかない
とてつもない労力が必要なことが
痛いほどわかりました。
内容④
激化しすぎる価格競争だけの医療問題
治療内容が激化、個別化
特異性を持つのではなく!
先ほど話した
どうしても金額だけで選択することが
優先されるため
日本でもすでにご存知なように
医療のある分野では始まっている・・・
〇〇%オフします。
友達ときたら〇〇%オフ
このチケット持ってきたら〇〇%オフ
といった内容が激化しすぎて
治療内容を深めることができない
深める必要がなくなっている現状がある
との
悩みがあると・・・
また、
治療内容を理解して頂きたく
セミナーを実施しても
ムンバイなどの都市部の教育を受けてきた女性にしか
興味がもたれず、
今まで教育を受けられなかかった女性達には
教育セミナーというもの自体が
中々受け入れられないと。
だから
キャンプという
きたらチケットあげます
そのチケットで〇〇%オフ
という形で患者を呼び込む
しかないらしいです
都市部でさえも
治療内容を吟味した上で
教育セミナーを受けたいという人は
10%程度とまだまだ低いとのことでした。
Kinoshita感想)
こういった部分も私が日本にいると
当たり前に思ってしまう
子供の頃から
誰もが平等に学校へ行く権利があり
勉強する機会が与えてもらえる
これは国によっては
全く当たり前ではないこと。
国民全体のこういった学ぶ風土がないと
医療であるべき
医療の品質ではなく
ただわかりやすい
安い
というだけの
価格競争になっていくことも
教えてもらいました。
(聞いていて本当に悲しかった・・・)
私がこういった専門的なブログを書いて
みなさんが見てくれることや
セミナーや動画を作成し
見てもらえることがまず
日本教育のおかげなんだと
理解するとともに
日本で生殖医療をやっている自分達が
何やっても同じでしょ
やることも一緒でしょ
何やってるかわからない
と言われてしまわないように
丁寧に丁寧に説明しながら
自分達の医療の質を理解してもらえる
説明が何よりも必要なんだと
再認識できました。
もう書ききれないことばかりです。
たぶん、
自分が医師をリタイヤする時
人生を最後振り返る時には
また今回の経験とその後の人生について
本にしたいなと思うくらいでした強烈でした。。
世界に出てたくさんの人と触れ合って
日本のありがたさ
日本の医療環境のありがたさ
厳しい患者の目と医療者の熱意がないと
いい医療は新たには生まれないこと
たくさん学ばせてもらえた
インド研修となりました。
長々、暑苦しい私の文章すいません。
ぜひ、この思いをみなさんと共有したくて。


