着床前検査 B(モザイク)移植での出産報告が届きました
以前に
42歳 着床前検査B(モザイク)移植で
妊娠、卒業された方を以前に
共有しましたが
今回、
無事、出産報告が届きました。
ご丁寧なお手紙と
元気そうな赤ちゃんの写真も頂きました!
PGT-A B胚移植で
悩まれているご夫婦も多いと
思いますので
少しでも皆さんのご参考に。
16週 羊水検査
結果→染色体数正常
明らかな構造異常なし
39週3日
帝王切開
男児
3050g
KInoshitaより)
お手紙と出産施設からの情報をもらい
私も本当に嬉しかったです!!
遺伝学的な検査は
見た目ではわからないことを
たくさん教えてくれますが
決して
全てが分かるわけではありません
今回の羊水検査でも
検査限界というものがあります。
特に遺伝学的な検査をする場合は
検査限界について
事前に理解しておくことが大切です
いくら羊水検査で正常と言われても
ものすごく小さい変異だと
わからないと言われたはずですので
心配が続く妊娠だったと思います。
元気な赤ちゃんの写真まで同封して頂き
私も一緒に喜ばせてもらいました!!
本当におめでとうございます。
さあ、ここで
ぜひ
少し勉強しておきましょう!!
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Q
着床前検査ではB胚(モザイク)なのに
正常な染色体の赤ちゃんが生まれてくる理由について
簡単に理解するとすれば
まず絶対に抑えるべきポイントは2つ
①まずはモザイクについて
モザイクとは
体や受精卵の中に別々の遺伝情報が混在していること
例えば、正常細胞と異常細胞が混ざっていることも
まさにモザイク状況です
②着床前検査に出す細胞は
将来、胎盤になる細胞を検査しているということ
つまり
赤ちゃん本体を検査しているわけではない!!
という2つの大きなポイントを
おさえておいてほしいです。
では、
モザイク胚(正常異常の混在)から
正常染色体の赤ちゃんが生まれてきてくれる
理由は
1 異常な細胞が胎盤部分にだけにあった場合
→赤ちゃん部分は最初から正常な細胞だった
2 たまたま異常のあった部分をPGTAに提出した場合
→生検した箇所以外は正常だったという場合
3 成長の中で異常部分は死滅して正常細胞だけが育った場合
二つのポイントを理解しておくと
この3通りのパターンの意味が少しでも
わかりやすくなるかなと思います。
最後に)
PGTAは遺伝学的な検査となるので
生殖医療だけでなく
遺伝学としての専門的な知識が必要となります。
特にモザイク胚などの扱いには
簡単な説明から難しい説明まで
外来とは別で
遺伝カウンセリングとしての時間を必要とすべき
こともあります。
当院が着床前検査が始まる前から
私が臨床遺伝専門医をとり
当院培養士に認定遺伝カウンセラーをとってもらったのは
こういった
着床前検査を実施した後に
ご夫婦が受精卵について悩まれた時に
遺伝学的な専門家として説明ができたら
ご夫婦の不安が少しでも軽減されると感じた
からです。
着床前検査 PGT-Aが
正しく理解され
ご夫婦に広がることを願っています。
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