こんにちはKinoshitaです。

40代で体外受精をしている方々の内容を続けております。。

始めたばかりの人も続けている人も、みんなが頑張っておられます!!

一人でも多くの方が出産できますようにおねがい

 

当院セカンドオピニオンでの聞き取り詳細

前医:AMH0.24 前医採卵15回 移植8回済

・胚盤胞に育てるがなかなか育たない

・育った胚盤胞のグレードが悪い

・3日目からの発育が悪い

・媒精(ふりかけ)での受精率が悪かった

・移植8回は全て胚盤胞 

→凍結 胚盤胞胚移植4回 

→新鮮 D3初期胚移植4回

全て陰性

・40歳を超えたので卵巣機能が不安です

→なにか採卵前にできることありませんか?

持病として

・子宮内膜増殖症があり治療後です。子宮に不安ありますと

・潰瘍性大腸炎治療後でフォロー中です

これから不妊治療でできる選択肢が知りたくで受診されました。

 

当院で治療開始 方針内容

●採卵での選択肢

・D3からの発育を改善するための選択肢として

→卵胞が18mm程度での採卵ではなく、40歳超えているのでE2を見ながら、20mmを超えるまで成熟を待って採卵しましょう

→当院では40歳以降での採卵の場合、核、細胞質の卵成熟を特にしっかりと待つように心がけています

 

・スパームセパレーターを提案(この時はZymot)

今まで精液所見が悪くないのであれば、精子の選別をより厳しくしていきます

精子側から胚盤胞形成が悪くならないようにしたいので選択肢のひとつです

詳しくは以前のブログチェック!

 

●着床前診断(PGTA)の選択肢

メリット、デメリット説明、理解度確認

→卵巣機能が低く、今まで良い胚盤胞がなかなか取れていないので希望しません。

→理解した上で夫婦で話し合い、希望しないと決めることは本当に大切なことです!!

 

●移植の選択肢

・まずは採卵に専念してグレードAを目指す

・2段階胚移植

・良好胚での2個移植

 

●卵巣機能に不安を感じておられるので

・卵巣PRP注入も採卵前の選択肢としてあります

→採卵の結果を見ながら時期を決めたいです!

→では、月経の度に採卵を振り返って考えていきましょう!

 

●子宮の不安を感じておられるので

・ERAもしくはERpeak

・子宮内膜炎検査(病理検査:蛍光抗体法での診断で)

→当院の説明動画を見ながら移植前に決めたいです!

→では移植前にもう一度声をかけますね。

 

●持病について

#子宮内膜症

治療がすすむにつれて自覚症状がひどくなることがあります。すぐに声をかけて下さいね。

自覚症状、不妊治療結果を見ながら、内膜症の保存療法を優先することがあります。

#潰瘍性大腸炎

現在の妊娠許可はもらえてますか?→コントロールついてるので大丈夫ですと。

妊娠後にコントロールが悪くなる方がいるので、妊娠後にすぐ受診できるように相談しておいて下さいね。

妊娠前に持病のコントロールがつかない場合はもちろん持病の治療が優先です。

不妊治療を調整するのでどのタイミングでも声をかけて下さいね。

 

以上をお伝えしました。

その後、当院受診となり治療開始となる。

月経時の採血

FSH10.1  LH4.7 

 

当院採卵1

アンタゴニスト法(当院の排卵予防は必要最小限です)この時はアンタゴ注射2回のみ

→特に40代の方の排卵予防は強くなりすぎないように気をつけています

→当院では連日でアンタゴニストは打ちません

HMG刺激日数14日間 

trigger:アゴニスト+オビドレル

採卵数6個 成熟卵(MⅡ)6個

split希望(ICSIではスパームセパレーター使いたいと)

卵子2個:媒精(ふりかけ)→受精卵なし #受精障害あり

卵子4個:顕微授精(スパームセパレーター) →3個受精 前核期凍結2個 1個培養し胚盤胞ならず

 

年齢考慮し、移植せずに採卵継続希望される

 

卵巣PRP実施へ

→両側の卵巣の大きさに問題なく、両側卵巣へ注入となる

 

当院採卵2

アンタゴニスト法  この時もアンタゴ注射3回のみ

HMG刺激日数24日間

trigger:アゴニスト+HCG10000単位

→卵胞発育がゆっくりなため最後の最後まで発育を待ちました。採卵決定は何よりも大切です!

採卵数8個 成熟卵(MⅡ)8個

→全て顕微授精(スパームセパレーター)

→8個受精 前核期凍結2個 6個培養し胚盤胞確保!!

→胚盤胞グレード(4AA・4AB・3BB)

 

私からは移植提案する。ご夫婦より以下ご意見頂く

「凍結できる受精卵の状況がいいので続けたい」

「精神的に移植に移ると採卵に戻れない気がする。取れるのなら採卵を続けていきたい」

では採卵結果状況を見ながら採卵続けることで話合い

 

当院採卵3

クロミフェン+FSH+HMG

刺激日数12日間 顕微授精(スパームセパレーター)

採卵数4個 成熟卵(MⅡ)3個 

→全て顕微授精(スパームセパレーター)

→受精卵1個  前核期凍結1個

 

当院採卵4

アンタゴニスト法  この時もアンタゴ注射2回のみ

HMG刺激日数11日間

採卵数5個 成熟卵(MⅡ)5個 

→全て顕微授精(精子が少なくスパームセパレーター使えず)

→受精卵 4個  前核期凍結2個 2個培養し胚盤胞1個確保

→胚盤胞グレード(3BB)

 

「次を人生最後の採卵にしたいです」

 

当院採卵5

アンタゴニスト法  この時もアンタゴ注射1回のみ

HMG刺激日数13日間

採卵数5個 成熟卵(MⅡ)4個 

→全て顕微授精(精子が少なくスパームセパレーター使えず)

→受精卵 4個  前核期凍結2個 2個培養し胚盤胞1個確保

→胚盤胞グレード(3CB)

 

「本当に夫婦でやり切ったと言える。あとは怖いけどしっかりと移植で確認していきたい」

「子宮内膜増殖症もあったのでやはり子宮側の心配もある・・・」

 

人生初めてのAA胚が確保できたので、当院1回目なので移植から入るのもありです。

心配であれば、当院1回目(前医含めて9回目)移植結果を見てから内膜の検査でどうでしょうか。

→まずは移植希望となる

 

当院移植1

ホルモン補充周期 凍結融解胚移植

胚盤胞1個融解 D5-4AA移植

移植後1週間後HCG0

判定陰性

 

ERA検査:125時間 ズレなし

子宮内膜炎検査(病理検査:蛍光抗体法での診断で):所見異常なし 追加抗生剤処方なし

 

当院移植2

ホルモン補充周期 2段階胚移植

前核期2個融解 D3-10細胞1個移植 

もう一個がそのまま胚盤胞へD5-3AB移植

移植後1週間後HCG0

判定陰性

 

当院移植3

ホルモン補充周期 胚盤胞2個移植

胚盤胞2個融解 D5-4AB移植 D5-4BB

移植後1週間後HCG42.9

判定陽性(判定当日HCG744)

 

胎嚢 1個確認

心拍確認

 

発育問題なく10週以降で卒業

45歳初産 大学病院での出産希望

 

Kinoshitaより)

本当に夫婦でたくさん話し合って、治療をやり切っておられました。

治療前からしっかり選択肢を知って、納得して方針を決定しておくことは本当に大切です。

やはり40代特に42歳以上で治療を頑張っておられる方は、

年齢とともに卵巣機能が低下してくるので

新たな選択肢を知っておかないと同じ治療の繰り返しになってしまします。

治療の繰り返しになって不安になっている方がおられれば、ぜひご相談下さいね。

一人でも多くの方が妊娠・出産できますように。