こんにちは。Kinoshitaです。

 

男性不妊で悩まれている方に、しっかりと知識を持って頂きたい。

そして、過剰に責任を感じることなく赤ちゃんを授かる為の希望を持ってほしい。

ということで今回はお話ししたいと思います。

 

論文をベースにブログをご紹介して下さる先生方も多くいらっしゃるので、私は論文紹介を少し控えていましたが、今回は最新の論文での内容と共に私の意見を掲示しようかなと思います。

 

Fertiel steril.2017 Dec ; 108(6):961-972

Effect of the male factor on the clinical outcome of intracytoplasmic sperm injection combined with preimplantation aneuploidy testing

 

この論文は

男性不妊がどのように不妊治療成績に影響を及ぼすか調査したものです。

受精率

胚盤胞形成率

正倍数性の胚の割合

生児出産率

流産率

を調べてくれています。

 

1219採卵周期を精子の状況に合わせて5群に分けました。

①正常精液群

②中等度男性不妊群

③重度乏精子精子/無力/奇形症群

④閉塞性無精子症

⑤非閉塞性無精子症

 

射出もしくは手術による精巣精子を採取し、ICSIを行い胚盤胞培養を実施。

栄養外胚葉(TE)を採取し定量的PCRにて正倍数性の凍結融解胚移植を実施。

 

※媒精での受精率

正常精液群に対して①-⑤は優位に受精率が低下

 

※胚盤胞形成率(受精卵あたり)

正常精液群に対して②⑤で優位な低下

 

※胚盤胞到達時間

正常精液群に対して④⑤でタイミングに変化あり

 

しかし、(交絡因子で補正しロジステック回帰分析を行うと)

男性不妊と正倍数性(明らかな染色体数の異常がない染色体)胚の割合には相関は認められず凍結融解胚移植を行うとどの群にも同様な生児出産率と流産率が得られた

 

精液所見がかなり厳しいとされ、どん底に突き落とされた男性が体外受精を経て奥様が妊娠、出産を迎えられるところをたくさんみてきました。

 

男性にとっても奥様が横で不妊治療に努力されている場面を間近で見ることが精神的につらい方もいらっしゃると思います。

 

思う様に治療が進まない、まだ結果が出ないなどで苦しまれている男性の方もいらっしゃると思います。

 

しかし、

私の経験でもこの様な多くの報告でも、治療前に正しい説明(方法・成績・リスク)を受け最新の不妊治療をしっかりと受けれるのであれば、最終的に赤ちゃんを授かる夢も決して不可能ではありません。

 

ぜひ、

奥様ともしっかりとお話をして

お二人の希望する生活の第一歩を進めて頂ければと思います。

 

(余談)

やはりこの様な論文を読んでいると、染色体レベルでの受精卵チェックを前提にして評価しないと論文結果の信用性はほとんどなくなってきてますね。受精卵の染色体検査が必要とされる方に対してでも、1年近くの申請・認定期間が必要となる日本の現状がどんどんと世界の医療から取り残されている様に感じます。(悲)

 

受精卵の染色体検査を必要とする患者様からの現場の声が一番の力となると思います。

国や学会に対して、医師の意見だけではどうしても動かないことでも、必要とされる皆さんが生の声を届けられることで日本の医学が急速に進展することがあると思います。慎重な検討と共に日本の患者様にも世界と変わらない最新の医療が受けれる日が少しでも早く訪れる様願っています。

 

〜新しい選択肢を皆様に〜

木下レディースクリニックHP

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