厚生労働省は4月22日、医療保険の審査支払業務の効率化や質の向上に向けて検討する「審査支払機関の在り方に関する検討会」(座長=森田朗・東大大学院法学政治学研究科教授)の会合を開いた。社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会のレセプト(診療報酬明細書)の審査業務を統合できないかとの社会保険中央総合病院名誉院長の齊藤寿一委員の意見に対し、支払基金専務理事の足利聖治委員は「考えられなくはない」と述べた。一方、東京都国民健康保険団体連合会専務理事の飯山幸雄委員は「制度面の検討が必要だ」と慎重な姿勢を見せた。

 支払基金と国保連は昨年11月、政府の行政刷新会議の事業仕分けで、「競争原理に基づいて改善が図られるとは思えない。統合を検討すべき」と指摘されている。

 会合では齊藤委員が、「(両機関は)背景も保険者の対応も違うが、(レセプトの)審査の部分を見ると、共通部分がかなりある」と指摘。また、国保連と支払基金では審査基準に差があり、「国民が平等な医療を受ける上ではゆがみのある構造だ」として、審査業務の統合を提案した。
 これに対して足利委員は、「審査では同じ点数表を使っている。審査に限って言えば、(統合を)考えられなくはない」と応じた。一方、飯山委員は、国保連は都道府県知事が審査員を任命するが、支払基金は理事長が任命することなど、両機関には制度面で違いがあると説明。「慎重な検討が必要だ」と主張した。

 山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)は「審査の統合は、(事業仕分けで指摘があった)『競争』に反している」と指摘したが、齊藤委員は「2つに分かれていれば適切な競争が起こるというわけではない。共通の土俵の中なら、共通の尺度で比較できる。国保連と支払基金は別の世界に見え、比較しようがなく、競争のレベルに達していない」と述べた。


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