車での移動中。


私の手が無言で私のお腹にそっと手を当てる。

生理中の私…


「ひめちゃん、お腹痛いの?」


え?

どうしてわかった??


痛いなんて一言も言っていないのに。
しかも軽い鈍痛だから、表情にも何にも出ていないはず。

お腹に手を当てることなんて、珍しい行動でも無いし。

っていうか、普段お腹に手を当てても何も言わないのに、どうして?


とっくんのこういうところ、本当にすごいなぁ、って思う。

良く見てくれている。


もちろん電話やLINEでも、私の些細な変化に気付き、それを言葉にして気にかけてくれる。


例え「良い嘘」でも、とっくんには通じないかもしれない。


隠し事をしたければ「それは話したくないから」と言った方が良いのだろうと思う。


これまでのお付き合いしてきた人たちに、私は嘘をつくことがあった。

本当は悲しいのに、「平気」と言ったり、
本当は疲れているのに、「元気」と言ったり。

嘘をつくのがうまいのか?
すっかり騙されていた過去の男性たち。


本当は、見抜いて欲しかった私。

嘘をついておいて、騙されないで欲しいなんて、面倒な女よね。
けれど性分なのだ。


「男なんてみんな…」という私の小さな固定観念が崩されていく。もちろん良い意味です。