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いったんぶeToの日記

ゴジラを観た!


というのも去年公開された海外版ゴジラを観たので、オリジナルも観てみるかと軽い気持ちだった。
僕は完全に平成ゴジラ世代でVSキングギドラをテレビで観てから、デストロイアまでは映画館に観に行った。
何故か ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊モノはほぼ興味がなく ゴジラ一直線。

過去の作品も、地球最大、モスラvs、キングコング、怪獣総進撃、オール怪獣、ヘドラ、ガイガン、平成ゴジラ、ビオランテ
を確か観たはずだ。

今思い返すとかなり観ててびっくりする。笑


ゴジラ第一作目を観てなかったのは子供ながらに、
白黒に抵抗感があったのと、ゴジラしか出てこないこと、
ほんと子供らしい考えで、まったく観たことがなかった。


まさかこの歳になって観るとは。

しかし それは 正しい選択で

大人にならないと、この一作目ゴジラのメッセージはまずわからない。

もし子供の時に観ても怖さと緊張感に つまらなさを覚えそうだ。

この作品は 怪獣の話じゃなく
人間の話だった。

ある程度知識を踏まえて観たので、この映画のメッセージが痛くて痛くてたまらない。



ゴジラは1954年、まだ戦争の記憶が色濃く残る時代の作品。
水爆実験により目覚めた怪獣が日本を襲う。
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この映画は色んな思想が交差する。

核により目覚めた 怪獣 が
唯一核を落とされた国を襲い
核に匹敵する発明により倒される。
ゴジラの身体は、まるでケロイドのような肌。
サイレンの中響く足音は、空襲の中に響く爆弾の音。
敗戦からまもない中、浮かれる若者に対する英霊達の怒りの集合体。
ラストはまるで特攻隊のように爆弾を抱えてゴジラに向かう。


前半は圧倒的なゴジラに対する恐怖を見せつけられる。
特別で、神聖なる生物。
そこに、放射能が関わってくるあたりから、一気にリアリティが増す。

ガイガーカウンターという言葉が出てくる
これはまさに今の時代に生きていれば、必ず聞いたことがある言葉。
日本はずっと放射能に悩まされてる国なんだと、改めてここで考えさせられた。


ゴジラが破壊した後の街の映像はまさにヒロシマであり。
街を襲うシーンでは、逃げ遅れた母と子供が 「もうすぐお父ちゃんの所に行くのよ」と呼びかけ
ガイガーカウンターで子供が放射能を測定され
病院では目の前で母を亡くした子供が泣き叫ぶ



ああ、これは戦争じゃないか。



60年経った平和な今でさえ、この痛みを感じるのだから

公開当時の観客はとても他人事とは思えなかっただろう。あの時の記憶が蘇るように。


後半から涙が出そうになった。

それは日本という国の運命とは、いったい何なんだろうと。

この映画では、
日本の科学者がついに水爆(=オキシジェン・デストロイヤー)を完成させてしまった。

核に苦しめられた日本が核を作ってしまい、それを使わざるをえない状況に陥っているのだ。


そこにキャスト三人の苦悩が絡みあう。

まさかここまで社会性があるとは思わなかったし、
僕の中でゴジラという怪獣は 象徴 であると理解した。


さすがに この一作目を越えるゴジラ作品は二度と出てこないだろう。
もし出てくるとしたら、それは戦争のように大きな不幸が起こるという事じゃないか。

ラストの芹沢博士の 「幸福に暮らせよ」と山根博士の言葉は
人類の将来に向けた反戦のメッセージじゃないかな。