立春 | 夏炉冬扇の長袖者の尉のブログ 

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 今日は立春です。以前に私がこの日に詠んだ句に、「春立てる朝に立たざるものありて」というものがありました。

 

 立春は24節気の最初になります、24節気を決めた中国では立春が1年の始まりでした。西洋の暦が、冬至が1年の始まりだったのに比べると、3節気分、日数にすると45日ほど中国の新年は遅くなります。

 

 中国で成立した太陽太陰暦では月の満ち欠けで1ヶ月を決め、新月の日が朔日という約束がありますから、元旦は立春の前後にずれます。その決め方は、立春の次の雨水を含む朔望月を1月として、その月の新月の日が元旦になります。

 

 今年の立春は、2月4日でした。1985年から2020年までは、ずっと2月4日が立春です。1984年以前は、4年に1回、閏日が挿入される年は2月5日が立春になっていました。2021年は2月3日が立春でした。2月3日が立春になったのは初めてなので違和感がありましたが、来年の2025年も2月3日が立春です。2021年以後は、4年に1回、閏日が挿入された年の翌年は2月3日が立春になるのです。閏日の挿入で日付の調整が行われていることが良く分かります。

 

 そのままずっと行くかと言えば、2100年は閏日を挿入する年ですがこの年は閏日の挿入をしないことになっていて、閏日を1回抜くことにより、立春の日付は再調整されることになっています。

 

 40年くらい前に出た角川の季寄せが私の手元にありますが、立春が2月5日前後と書かれていて、立夏や立秋、立冬の日付も通常と1日ずれているのです。4年のうち3年は2月4日なのですから、ふつうは2月4日前後と書きます。どうも閏日が入る年に編纂して、その年の暦だけを見て、日付を記してしまったような感じなのです。

 

 これを編纂した人は季語には詳しくても、天体観測から割り出される24節気の日付が4年に1回変わって、この季寄せが編纂された年が例外的なものであることを知らなかったと思われます。季語さえ知っていれば季寄せが製作できるわけではない、暦作りの知識も必要ということであり、俳句に必要な知識が幅広いものであることを感じさせてくれます。