会社の再建を決意してからの1年。
それは、想像を遥かに超えるほどの過酷な毎日だった。
資金繰り、現場管理、人材の確保、信頼の再構築。
ひとつひとつの問題が重く、
心が休まる時間は、まったくなかった。
「なんで、あのとき引き受けたんだろう」
そんな弱音が、何度も心をよぎった。
そして、今日。
ひとつの現場で、お客様と自分と、
かつて“魔法使い”と信じた男の3人で、最終確認の打ち合わせ。
段取りが決まり、話もまとまったあと、
お客様がぽつりと言った。
「本当に丁寧に仕事をしてもらってます。近所の方たちが、すごく褒めてましたよ。」
たった一言二言なのに、
胸の奥に、あったかい何かが溢れてきた。
「……ああ、やってきてよかったな。」
どれだけの困難をくぐり抜けても、
たった一言で報われる瞬間がある。
まだ状況は厳しい。
むしろ、今がいちばんの正念場だ。
でも、確かに思えた。
「自分が信じた道は、間違ってなかった。」
【いとじゅん日英尼レッスン】
チャンス
→ Opportunity
→ Kesempatan
【意味】
思っていたよりも、ずっと静かにやってくるもの。
目立たないかもしれないけれど、心で感じれば、すぐにわかる。
【いとじゅんメモ】
チャンスは、手を広げて待つものじゃない。
歩き続けた先で、自然と出会うもの。