今回は選択公理とZorn(ツォルン)の補題が同値であることを出来るだけわかりやすく証明していきたいと思います。
選択公理やZornの補題は割と有名で数学好きの高校生とかなら名前くらい聞いたことがある人も多そう。この2つの主張をまず述べておきます。

⑴選択公理
どれも空集合でないような集合の族について、それらの直積も空集合ではない。
⑵Zornの補題
順序集合において、任意の全順序部分集合が有界ならば、極大元が存在する。

まあどっちもわけわからんと思うので少し砕いた言い方で⑴を説明したいと思います。⑵は難しいので割愛。

選択公理を砕いていうと、
無限の袋があってそのそれぞれに玉がいくつか(無限個でも良い)入っている。その中から1個ずつ玉を出して新たな袋に入れることができる。
ということになります。(めっちゃ砕いた)

まあこれを見るとやや自明に思えてきます。

ただ無限に袋があって1個ずつ取り出すというのが結構怪しい操作なんだけどそれを許すと「Zornの補題」という主張が成立する、ということを示したいのです。逆に「Zornの補題」が正しいと仮定するとその怪しい操作はしてもOK!ということを示していきます。

まあ直積とか順序集合とか未定義なので次回から取り敢えず集合論をさらっていく感じでいこうと思います。

とりあえず間違えてたら訂正してくれると非常に助かりすぎます。



参考文献
・『集合・位相入門』、松坂和夫