メメント・モリ。
今朝、ヒヨコが1羽、死んだ。
原因はわからない。
朝、水と餌をやっているとき、大騒ぎしているヒヨコの中、1羽だけが目を閉じて、眠るようにじっと座っていた。気になって抱えてみると、抵抗もせず目も開けず、眠っている。
まだ温かく、かすかな動きもある。が、かなり深刻な状態であることは素人の僕にも感じられた。
思えば、一昨日の夜、1羽だけが少し離れて眠っているのを何となく妙に感じた記憶がある。
昨日一日は、どうだったろう?何となく元気がない子がいる気もしていたような・・・わからない。
実はここ数日、かなりバタバタと忙しく、余裕がなかった。毎日朝夕は餌と水の減り具合を確認して、足していたし、(部屋にヒヨコ箱も置いているので)1日何回かは様子を見ているつもりだった。
昨日もそうしていたつもりだった。・・・けれど、気づけなかった。
原因はわからない。でも、完全に僕のミスだ。
早く気づいたところで大したことはできなかったかもしれない。でも、死の間際になるまで感づいてあげられなかった。何もしてやれなかった。
そもそも、僕は卵をもらう(奪う)のに加え、最終的には食べるつもりで彼女たちを飼っている。つまり、命を支配し、いずれはこの手で殺すのだ。
けれど、だからこそ、“その日”が来るまで、真剣に彼女たちと付き合いたいと思う。
そう。生き物と暮らす以上、どんなに忙しかろうと、どんな理由があろうと、生きてる彼らにちゃんと向きあってなきゃならない。
だから、胸が痛いな・・・。
あまり関係ないし、不謹慎かもしれないけれど、勤めている老人ホームで、担当している老婦人が亡くなった。
多少認知症はすすんでいたものの、会話はしっかりしたものだったが、体はここ数か月でどんどん衰え、寝ていることが多くなっていた。
数か月に1度来る親族に会う以外、彼女の世界はあの老人ホームだけになっていた。外に出ることもほとんどなく、窓の外に目を向けることもほぼ皆無だった。
そして・・・亡くなった。
ヒヨコも、あのばあちゃんも、肉体を構成していた物質はやがて分解され(まあ人間は悲しいかな焼かれてしまうのだけど)、土に、大気に拡散されていく。そしてまた、何かの一部になるのだ。そう遠くない未来には僕だって・・・。
それだけのことだ。
けど、彼女たちとひと時の時間を過ごしたことをやっぱり嬉しく思う。
そして、死ぬまでのもうひと時に、自分が何をしようかと考える。
結局は、だいだらぼっち(仮名)として、喰って糞して寝て動いて・・・を繰り返していくだけなんだけどね。
