預金差押え>不動産差押え | 弁護士伊藤友哉のブログ

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キーワード:不動産,差押え,競売,債権回収

前回は,預金口座情報照会制度の検討開始を取り上げました。

強制執行には預金差押えの他に不動産の差押え・競売もあります。
新聞の競売物件欄やネット上の情報サイトでみかけるあれです。


預金差押えと不動産差押え,どちらが良いか(優先度が高いか)というと・・・

個人的には,預金差押え(債権差押え)>不動産差押え です。最大の理由はスピードです。

預金差押えの場合,差押えの効力が発生して10日程度(※債務者への送達から1週間後)で取立て可能となり回収ができます。
金融機関(第三債務者)に必要書類を送り,順調にいけば取立て完了まで数日です。


これに対して不動産差押えの場合には,差押え後に売却準備(現況調査等)~競売実施~代金納付~弁済金交付(又は配当)と時間を要します。早くて半年程度かかります。

競売ですから,入札者がおらず換価できなければ手続も進みません。
都市部の不動産なら入札者はいるでしょうが,田舎の山林では買い手も見つかり難い・・・。
換価性にバラつきがあるというのも不動産差押えの注意点です。


というわけで,預金差押え(債権差押え)>不動産差押え の優先順位です。

で,前回も書いたとおり,支店名特定という問題が発生するのです・・・