映画『スローなブギにしてくれ』(1981)

神保町シアター
『80年代ノスタルジアⅡ』
~ポップでエキセントリックで
刹那的な80年代にタイムスリップ!~

『スローなブギにしてくれ』…主題歌は知っているけれど、映画は観たことなかった
4年前の角川映画祭で観ようと思ったけど、時間が合わなくて見逃していた

浅野温子さんが主演、くらいしか知らず、そして、今回、事前に入れておいた情報が「バイク好きの青年と家出少女との奇妙な共同生活を描く」のみ(神保町シアターのチラシより)

「若者の恋愛の映画ね」くらいの、そんなふんわりとしたイメージで観に行ったら…
(最近観た映画で例えると『劇場』くらいの雰囲気で観に行った)

いやいやいやいや、一番印象に残るのは山崎努さん演じる「ムスタングの男」だった
むしろ、これ、「ムスタングの男」が主役なのでは?レベル
さち乃とゴローの関係など添え物に見えてしまうくらい…
青春の爽やかさや甘酸っぱさはほぼなく、暗い闇の淵に立っていた気分
いや~…なかなかに裏切られた感じ
(こういう映画は嫌いではないが、想像とあまりに違っていてビックリした😨)
想像よりも、かなり、ビターなオトナの映画だった

あと、まだまだ男社会というか、女は黙ってついてこい、というか、女は男の所有物と思われていたというか…そんな時代の空気を感じた

昔の映画はキャストのテロップが映画の前に出てきがち
この作品も先にキャストが出てきていたので、
わ!原田芳雄さんだ!一徳さんも!石橋蓮司さんだ!…と、胸躍って観ていたら…
原田芳雄さんの役は、けっこうすぐに突然死してしまい😨
石橋蓮司さんはラストシーンでチラリとだけ
一徳さんはけっこう出番多かった(台詞は少ないけれど)

子役で小林綾子さんが出演されていてビックリ(『おしん』よりも前)

室田日出男さん演じるマスターがよかったなぁ
室田さんのこういう役、いいなぁ😊

春川ますみさんが、アンニュイな、幸薄そうなお母さん役だった
ちょっと意外
私の中では陽気なおかみさんのイメージが強かったので

浅野温子さんは、まだ原石のような可愛らしさと魔性の女の両面が見え隠れしててとても魅力的だったけど…高校生には見えなかった(高校生の役だけど浅野温子さんは当時20歳らしい)
映画後半になってくると眼力に凄みが出てきて、醸し出すアンニュイな雰囲気も凄い
闇に引きずり込まれそう
名演技だわー👏

ゴロー(演:古尾谷雅人さん)のキャラが、自己チューすぎて、観ていてちょっと疲れた😥(『劇場』の永田の比ではないレベル)
当時の若い男性像はこんなものかもね…とも思えなくもない
「男のメンツがー」とか、最近はあまりないよね…

猫の扱いは、今なら動物虐待で問題になるレベルかと😨
猫大好きな人は鑑賞注意💦

片岡義男さん原作の角川映画だと『メインテーマ』もあったけど、あちらの方がライトというか、もっと正統派に若い男女の恋愛映画、て、感じだった気がする…まあ、そんな単純な映画ではなかったけど、比べれば、ということで(朧気な記憶)

そういえば、藤田敏八さんの監督作品は観たことなかったかも
藤田さん、俳優さんとしては『ツィゴイネルワイゼン』が印象深い

バブル前の80年代の空気を感じるにはいい映画かな、と、思った

2020/8/14

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