「終わりのない」初日観劇
世田谷パブリックシアター


1階中ほど、K列上手のセンター寄りの席
全体が見渡せてよかった

楽しみにしていた前川さんの新作❗前川さんワールド炸裂😆
とってもおもしろかったー❗
前川さんの作品の世界観が大好きだー😆

主人公の意識が時間も空間も越えて旅する物語

イキウメの皆さまの安定の演技力
イキウメ×村岡さんが観られて幸せすぎる
山田くん、奈緒さんも好演 


神話的世界とSF的世界。
神話の時代、世界は未知で溢れていた。
自然の猛威も、人生の不条理も、神々の言葉だった。
科学の網の目からこぼれ落ちた未知の存在、神や魔物はいまも可能性として輝いている。
『終わりのない』は、古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』を原典にした新作SF。
最古の文学のひとつである『オデュッセイア』は、歴史と神話が地続きに描かれ、人間と神々が同居している。史実とされるトロイア戦争の英雄オデュッセウスは、妻の待つ故郷への長い旅路にある。神々の嫉妬や助け、魔物との戦いを乗り越え、帰還する。英語にするとオデッセイ(ODYSSEY)、作品名でありながら「長い旅」を意味する。

本作 『終わりのない』では、「わたしたちは何故ここにいるのだろう?」 「いつの間にこんなところまで来てしまったのだろう?」と、個人の旅を人類の旅と重ね、望郷の念をもって描いていく。
古代と未来の往還、日常と宇宙を繋げる旅。
そこで人はなにと出会うのか。


【あらすじ】
18歳の悠理は旅の途中で目的地を見失い、立ち止まっていた。
自分はなぜここにいるのだろう。
悠理は自分の人生を振り返ってみる。
短いけれど、沢山の楽しいことや辛いことがあった。
恋愛もした。
死にかけたこともあった。
尊敬できる両親に、いつも気にかけてくれる友達もいる。
かつて僕は世界と一体で、完全だった。
でも今は違う。
ある日、悠里は両親と友達に、湖畔のキャンプに連れ出される。
立ち止まったままの悠理には、時間だけが通り過ぎていくように思える。
過去に思いを馳せていると、いつの間にか悠理の意識はキャンプ場を離れ、見知らぬところで目を覚ます。
そこははるか未来の宇宙船の中。
その船は人類の新たな故郷を目指して旅を続ける、巨大な入植船だった。
32世紀のユーリとして目覚めた悠理は、自分が誰で、どこにいるのかも分からない。
宇宙船から逃げ出した悠理の意識は、宇宙空間を漂い、地球によく似た見知らぬ惑星で目を覚ます。
自分そっくりの肉体の中で。
奇妙な旅を経て、悠理の意識は再びキャンプ場に戻ってくるが、その世界は自分の知っている世界とは少し違っていた。
自分はなぜここにいるのだろう。
帰りたい。
自分はなぜここにいるのだろう。
(公式サイトより)



古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』を原典にした新作SF…とあったので、
観劇前には、「まじかー😅理解できるかなー💦」と、不安がよぎったが、杞憂だった


意識が肉体を離れて…という話だと、前川さんのこれまでの作品の「プレイヤー」「散歩する侵略者」とも重なるか

主人公、悠里の意識が時間も空間も超えて、32世紀の宇宙空間や他の惑星にまで旅をしたり、
21世紀の日本の、キャンプ場に戻ったかと思ったら、少し違う世界だった…
量子力学の多世界解釈に話が及ぶ

他、「ひらめき」の話や、郷愁、地球の環境問題を絡めたストーリーはいつもながら、上手い❗
心に刺さる台詞多数


舞台セットはシンプル
舞台の中央に、大きな円形が前下がりで設置
キャンプ場になったり、宇宙船内になったり、他の惑星になったり…


主人公の悠里を演じる山田裕貴くん、
「終わりのない」の配役発表のとき、正直「大丈夫かな」と、少し不安があったのだが、
映像作品でみるよりも、舞台での山田くんはすごくよかった。そして想像していたよりもかなり顔が小さい!
もっと舞台のお仕事を増やしたらいいのに…と思った

奈緒さん、映像作品でみてもすごく上手いと思っていたが、舞台も期待通りの上手さ
そして、映像でみるよりもかなり美人さん(映像でも普通にきれいだな~、とは思っていたが)
今回は、杏(アン)という同じ役のようで、同じでない
32世紀のアン、21世紀だけれど別世界の杏
…という微妙に違う役をとても上手く演じ分けていた

大好きなナイロンの村岡さんが、イキウメの皆さまと一緒に😆幸せすぎる
昨年、ナイロンの「睾丸」に安井さんが出られていたときも幸せすぎた
今回の役、村岡さんにピッタリで、かなり好き😍
村岡さんの、あの声、あの滑舌、あの間、で、「川端楊」かな、と
大好きな台詞は、「関わりたくない」

清水葉月さん、仲村トオルさん、これまでにも前川さん作品で拝見
特に、仲村さんは、個人的には、舞台では前川さん作品でしか観たことないような…

イキウメの皆さまは、もちろん、安定の上手さだけれど、
最初のキャンプのシーンで大窪さんのハイトーンボイス、安定の高校生❗😆
これまでは、狂気を感じる役が多かったが、今回は普通の高校生役

浜田さん、今回はとても難しい役かな、と
(いや、前回の「獣の柱」も相当難しい役だったけれど)
しかし、浜田さんの滑舌よい話し方がとても合っていて、前川さんさすが❗と思った

安井さん、出てきただけで安心するー
安井さんの声が好きすぎるー
間の取り方も好きー
何をやっても「安井さん」なような気もするけれど、そこが大好き💕

盛さん、宇宙船のゼンと、杏の父の能海然を演じていたけれど、
キャンプ場での能海然さんの、細かい表情変化が大好き
盛さんの独特の「軽さ」がよい

森下さん、いつも上手いけれど、今回の役はかなりピッタリだった気がする
宇宙の遠い惑星で、達成感と孤独を抱えた役


ラストの台詞が胸に沁みる


東京公演は、17日(日)まで
気になっている方は是非❗



『終わりのない』
世田谷パブリックシアター+エッチビイ
2019/10/29(火)~2019/11/17(日)
【脚本・演出】前川知大
【原典】ホメロス「オデュッセイア」

【出演】
山田裕貴 安井順平 浜田信也 盛隆二 森下創 大窪人衛
奈緒 清水葉月 村岡希美
仲村トオル