やわらかい南風。なんと美しい、気持ちのいい言葉なんだろう。
沖縄県宮古島で暮らす百二歳のお爺さんが言った言葉である。
本日14時前、NHKの「百歳バンザイ!」に、現役の三線弾きで、教授もしている洲鎌興野志(すがま よのし)さんが出た。
さとうきび農業の合間に三線を弾けるのが楽しみで、厳しい労働が辛くなかったということを、「自分の身の上にとって三線、音楽は宝と思っている」と言う。そして、三線は「やわらかい南風が吹いて、さとうきびの花が一面に咲く」島の恵みへの感謝の気持ちを表すもの、と話したのだ。

さとうきびといえば、鬱蒼と繁ったさとうきび畑、高温多湿の中での苦しい労働が思い浮かぶ。
やわらかい南風は、疲れ果て、打ちひしがれた心身をつかの間癒してくれる涼風なのではあるまいか。


どんな風なんだろうかと、早速検索してみると、yahoo!では殆ど出なかったが、Googleでは出てきた出てきた。
「凱風」の意味としても、やわらかい南風、初夏のそよ風、とある。
やわらかい南風とは、
常套句なのかも知れない。あるいは、この南風を受けた誰の心にも浮かんでくる言葉なのかもしれない。
ただ私はまだ体験したことのない風である。
しかしこの言葉を聞いたとき、私の脳にふわーっと心地よい風が吹いたことは間違いない。

中高生の頃、ロルカの「緑の風」という言葉に新鮮な衝撃を受けたが、それ以来といっていいだろう。このうだるような昼下がり、何もする気が起きない私に、この文を書かせてくれた風であった。