【法律の話】同意のない受精卵移植と父子関係 | いたむら法律事務所のブログ

いたむら法律事務所のブログ

山口県防府市にある法律事務所です。
山口市,防府市を中心に周南市や宇部市など山口県内全域のお客様からご相談,ご依頼をいただいております。
法律事務所を少しでも身近に感じていただけたら幸せます。


テーマ:

板村です。

 

奈良家裁平成29年12月15日の判決がニュースになっています。

別居中の妻が,凍結保存していた受精卵を夫に無断で移植し,出産したケースで,

(元)夫が「親子関係不存在確認の訴え」を提起したところ,奈良家裁は訴えを却下しました。

 

ちょっと私自身もよく分かっていない部分があるのですが,

妻が夫の同意なく受精卵を移植した場合,2つの問題があると思います。

①移植に同意がなくても父子関係が認められるか?

②そもそも受精卵移植の場合に嫡出推定が適用されるか?

適用されるなら,原則として「嫡出否認の訴え」による必要があります。

ただ,離婚前に夫婦の実態が無くなっていたような場合なら推定を受けません(推定の及ばない子)。

その場合は「親子関係不存在確認の訴え」の方法でOKです。

 

ちなみに,推定が及ぶ場合は,たとえDNA鑑定で父子関係の不存在が証明されても「嫡出否認の訴え」

だけしか認めないのが現在の最高裁のスタンスです。

ニュースを読む限り,奈良家裁の判断は,

①父子関係が認められるためには移植時に夫の同意を要する。

②ただ,受精卵移植の場合も嫡出推定は適用される。

そして,本件では例外ケースに当たらない(面会交流が行われていたようです。)。

なので,「嫡出否認の訴え」によるべき(本件では父子関係は判断しない)。

となっているようです。

 

本件の結論は②の判断だけで出ます。

なので,①は基準として示されたものの本件で父子関係の存否は判断されていません。

何か釈然としないものが。。。

ニュースによると元夫側は控訴されたそうなので,引き続きウォッチしたいと思います。

 

 

いたむら法律事務所さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス