クルマの選び方が変わるとデザインも変わるのか | Italiaspeedのロックな毎日

クルマの選び方が変わるとデザインも変わるのか

 ということで、日経ビジネスオンラインで連載されているフェルディナント・ヤマグチさんの
 走りながら考える、はみなさん読まれていますでしょうか。毎週月曜日更新なので私も毎回
 楽しみに読んでいます。ここのところ日産ノートのe-POWER開発者インタビューが続いて、
 それも非常に興味深かったですが、今週はその最後としてノートe-POWERユーザーへの
 インタビューが載っていました。すでに読まれた方も多いと思います。

 

 

 


 「NOTEを選んだ理由?売れているからです」
 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/194452/072100135/

 私も含め、このブログをご覧いただいている方々はクルマ好きな方が多いと思いますが、
 今回のインタビューではクルマに興味はないがあったほうがいいよねぐらいな非常に一般的な
 感覚の持ち主へのインタビューになっていて、我々の感覚とは全く違っていて興味深いので、
 是非ご一読いただきたいです。

 記事内ではこんなことが書かれていました。一部転載すると、


 片田:そう。だって一番売れているクルマを買っておけば、間違いがないじゃないですか。
 多くの人がカタログを見比べて、中には試乗に行ったりして、いろいろと比較検討した上で
 「これが良い」と決めて購入に至っている訳でしょう。僕はクルマに興味がありませんから、
 クルマ選びに時間を掛ける気なんて全くないんです。はっきり言って無駄な時間だと思います。

 F:ははぁ……確かに合理的ではありますが……。「クルマを選ぶ楽しみ」、というのもあると
   思うのですが。

 片田:それはクルマが好きな人の話ですよ。クルマに興味がなければ、どれを選んでも一緒です。

 NOTE e-powerに決めた理由は、単純に「一番売れているクルマだから」。新聞でそれを読んで、
 ディーラーに電話をして、セールスマンを家に呼んで、その場で一発契約。なんとも徹底した
 合理主義者の片田さんである。


 ということで、今時のクルマに興味はないけどクルマは必要と思っている若い人たちの感覚は
 こんな感じなんだろうな、というのを代表しているようなインタビューです。我々にはにわかに
 信じがたいですが、これが一般的な考え方なんだろうなぁ、と。

 こういうクルマ選びが大勢を占めるようになってくると、一番売れているクルマはいいですが、
 そうではないたくさんのクルマはどうやって選んでもらうのか。もちろんクルマ好きが対象な
 ニッチなクルマはいいですが、そうではないクルマがほとんどなわけで、そういうったクルマは
 どこでどう他車と差別化し選んでもらえるようにするんでしょう。

 ノートe-POWERのように、画期的な技術でアピールするのもひとつでしょう。実際ノートは
 それでプリウスの牙城を崩し、ナンバー1になることで話題になり、片田さんのような人にも
 知られるようになって買われるようになりましたが、みんながみんなナンバー1にはなれない
 わけですから、選んでもらうのは大変です。

 私の周りにも何名かいますが、トヨタユーザーでクルマはどうでもよく、ディーラーの営業へ
 連絡さえすれば一番ニーズにあったクルマを家まで持ってきてくるのでずーっとトヨタに
 乗っている、という人も多いです。特にトヨタに多いパターンだと思いますが。
 こういう方々もデザインの良し悪しは関係ありません。仮にカッコ悪くてもディーラーの
 営業マンとの信頼関係がデザインに優先します。

 片田さんや上記のような営業マンの言うものを買うことに迷いがないユーザーにとって、
 クルマ選びはある意味苦痛なので人が言ったクルマを買うほうが自分で選ぶよりも楽なんだ、
 ということなんですね。クルマ選びがそうなっていくと、クルマにデザインの良し悪しとか
 感じられなくなってしまうと思うんですが、どうでしょうか。今後自動運転とか座るだけで
 運転する必要もなくなったら、それこそどこで差別化するんでしょう。システムの優劣は
 ありそうですが、それ以上にデザインがどうのこうのなんて話はなくなりそうな気もします。

 我々クルマ好きは、私のようにデザインがああだこうだと理屈を並べては良いデザインの
 クルマがたくさん出てくることを期待するわけですが、そんな人はほんの一握りであって、
 ほとんどが片田さんのような人たちです。片田さんにクルマのカッコ良さは関係ありません。
 マーケティング大好き会社にとって、こんな人達がマジョリティになってしまった時、
 すでにそうなっていると思われますが、デザイン頑張っても仕方がない、どうせ見慣れちゃう
 んだからとりあえずなんか新しくなった感を演出できればそれでいいんだ的な発想になったら、
 クルマのデザインはどんどん劣化してしまうんじゃないか、という危惧を覚えます。
 豊田社長の発言からすると、トヨタがそうなんじゃないかと個人的には思えるわけですが。

 まぁ、これは中の人しか分からない話ですから外野がいくら騒いでもしょうがないと言えば
 しょうがないんですけどね。それでも、先日の岡崎五朗さんと和田智さんの対談記事は、
 こういったことへの警鐘ではないかとも思えますし、市場がどう思おうが、メーカーとしての
 責任は変わらないと思います。買う側がデザインに興味がないんだからどんなデザインにしても
 いいだろ的な発想は止めていただきたいです。クルマのデザインは買う側のためだけに
 あるわけではなく、その国を代表する美意識の問題でもあることを認識してほしいですね。

 片田さんはカッコいいクルマが増えてもおそらく一番売れてるクルマを選ぶでしょうし、
 ディーラーの営業マンに電話して適当なクルマ持ってきて、ということに変わりはないかも
 しれません。そういった結果何かしらのクルマが選ばれて、それが街中を走るようになるわけ
 ですから、選ばれ方がどうであっても、メーカーとしてクルマのデザインはこうあるべき
 という想いは是非クルマに反映していただき、より多くの美しいクルマが街中を走る、
 そんな景観を是非実現してほしいですね。これはクルマメーカーとしての重要な責務だと思います。

 ということで、クルマのデザインに興味がない人がマジョリティになっても、クルマメーカーは
 自分たちはどういったメーカーなんだ、ということを美しいデザインで表現する責任があるので、
 クルマに興味がない人には美しいかどうかも関係はないですが、そうであっても美しいクルマを
 世の中にたくさん出してもらうことを願ってやみません。

 

 

 

 

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