山城国の一の宮「賀茂別雷神社(かもわけいかずちじんじゃ)」

一般的には「上賀茂神社(かみがもじんじゃ)」の名称で親しまれている神社です。

 

 

京都市内でもずっと北の方、御所よりも北に位置します。

 

 

山城国は現在の京都府の南半分くらいを指します。

北の方は丹後国などになります。

 

お祀りされている神様は

・賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)

です。

賀茂氏(賀茂県主)や葛城国造の祖先にあたる神様です。

 

この神様は『古事記』『日本書紀』には登場しませんが、

記紀に登場する「阿遅鉏高日子根神(あじすきたかひこねのかみ)」と同じとする説があります。

 

賀茂別雷大神は『山城国風土記』に記載があるようで、それによると

賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと:下鴨神社の神様)の娘である

建玉依比売命(たけたまよりひめのみこと)が出産したとあります。

 

現在では、この賀茂別雷神社を上賀茂神社、

そして鴨川の少し下流にある賀茂御祖神社を下鴨神社と呼び、

それぞれ別の神社として存在していますが、

古くは両者を総称して「賀茂神社(賀茂社)」としていたようです。

 

賀茂神社の例祭である賀茂祭(通称:葵祭)は

天皇陛下の御名代である勅使(ちょくし)が差遣(さけん)されて行われるお祭りである

「勅祭(ちょくさい)」であり、特に古式を参照した特殊な内容をもつ

「三勅祭」の1つとなっています。

 

また例祭に勅使差遣が恒例となっている「勅祭社(ちょくさいしゃ)」の

筆頭であり、古代より現代まで非常に格式の高い神社となっています。