自然界に広く分布し、人の傷口(化膿創)、おでき、ニキビや健康な人の喉、鼻の中、皮膚、毛髪、腸管などにも存在する。また家畜、動物、鶏、野鳥、ペットなどの腸管内にも存在する。

食品の中で増殖するときに、エンテロトキシンという毒素を産生する。この毒素を食品と一緒に食べることにより食中毒を起こす、いわば毒素型食中毒菌の代表格。

黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンは耐熱性があり、100℃で30分の加熱でも無毒化できず、油で200℃以上、30分程度の加熱によってようやく壊すことができる。このため、通常の調理の方法などでは無毒化できない。さらに酸に対しても壊れにくい。

黄色ブドウ球菌自体は60℃で30分程度の加熱で死滅する。

しかし酸性やアルカリ性の強い条件下や、塩分濃度が高い食品中でも生育できる。

10万個程度の菌量で食中毒を起こす。

くっつけないことと、増殖を防ぐこと、毒素を産生させないことが予防策。