医療従事者の私がスピリチュアル依存から抜けた日

医療従事者の私がスピリチュアル依存から抜けた日

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22Sep
- 500人のDV被害者と面談した臨床心理士に会って……。驚きのコメントから私が考えたことは？
  今から20年前、私はマスコミ関係者、自治体でDV被害女性からの相談を担当している女性相談員、DV問題に詳しい弁護士や精神科医など、様々な分野のエキスパートの方々と仕事でお会いする機会を持っていました。その中でも、特に忘れられない出会いがありました。20人ほどの専門家が集まった勉強会で、500人を超えるDV被害女性と面談をしたという臨床心理士の女性のお話を聴いていたのですが、彼女が次のように言いました。「私は臨床心理士として500人以上のDV被害女性と面談をしましたが、不思議なことにその500人全員の話が一人の女性の話のように聞こえるんです。その女性たちから聞くDV加害男性の特徴も500人分ではなく、一人の男性の特徴に思えてくるんです。それくらい、DV被害女性とDV加害男性の特徴というのは、よく似ていて、500人から話を聴いても一人の女性と面談をしているようにしか思えませんでした」2001年にDV防止法が施行されてからわずか数年後の時点で、500人の被害女性と面談をされたのは大変なご苦労があったことでしょう。彼女のお顔にお疲れが滲み出ていたことを、20年経った今でも切ない記憶として思い出します。そして、私のような20代の若者が彼女から貴重な体験談を教わったのは、大きな転機となりました。500人のDV被害女性とDV加害男性の人物像を集約した結果、一人の女性と一人の男性の特徴にしか思えなかったということは、被害女性全員に伝授できる対策方法もワンパターンなのではないかと私は考えるようになりました。20年前の段階で、内閣府の統計によると、配偶者からの暴力を経験したことのある女性は5人に1人という割合でした。社会全体のDV問題への理解が深まるにつれ、「私もDVを受けたことがある」と気づく女性が増え、その割合は3人に1人になりました。多くの女性たちがDV被害に遭っている中で、誰にでも効果的な対策方法を提示することができれば苦しい思いをする女性が減るはずだと思い、私自身も自分が直接話を聴いた被害女性たちのエピソードを分析し、全員に効果のある予防対策を構築しようと心に決めたのです。ある程度の分析は数年で行なうことができましたが、本質的な答えを探し出すまでには20年ほどかかりました。
18Sep
- 転換期には将軍の末裔が現れる？　師匠と私はどちらも武士の子孫で……。
  27歳の時に出会ったその師匠は、江戸時代の将軍の末裔でした。私自身も父方が武家の家系なのですが、この頃の私は、自分の先祖が武士かつ上級武士であることを人に話さないようにしていました。軍事専門家であり、師匠になったその男性にも自分が武士の子孫であることは伝えていなかったのです。今にして思えば不思議なことなのですが、20歳で成人した頃から武士の末裔の人たちと縁ができるようになりました。江戸時代の士農工商を現代に持ち込むつもりは毛頭ありませんでしたが、私の感覚では武士の末裔同士が会うと独特のオーラがあるのでお互いに気づきますし、相性も良いことが多かったのです。27歳の時に出会った師匠の男性は、私が口に出さなくても本能で私のルーツに気づき、弟子にしてくれたのかもしれません。いずれにしても、これから飛躍していくという人生の転換期に将軍の末裔が現れたのだと、今振り返ると感じます。しかも、半年くらい師匠と弟子になった後、縁が離れてしまうのです。それは私にとって寂しいことではありましたが、将軍の子孫は、私に伝えるべきことを伝えたということで去っていく役目を持っているのかもしれません。その男性と出会った後、次に将軍の末裔と出会うのは16年も後のことでした。
14Sep
- 日本人はストーカー防止対策に関心がない？　27歳の私は日本社会の現状に絶望して……。
  私は、27歳の時に出会った軍事専門家からプロファイリングに向いていると認められ、半年間彼に弟子入りすることになりました。彼に教わったのは、暴力案件の危険度査定でした。ストーカー問題やDV問題の危険度を見極めることができれば、被害女性たちは安全に逃げることができますし、加害男性から逃げた後も平穏無事に生活することができます。私はプロファイリングの技術を習得し、ストーカー問題やDV問題の危険度を判断できるようになりました。判断する際の基本として、最初に相談者の話を2時間ほどかけて聴きます。加害男性からのメールがあれば、テキストを見せてもらい、どのような言葉を使っているかを確認します。被害者が加害者に対して「私は、もうあなたとの関わりを断ちます」と告げるのは1回のみで、それ以上は加害者に返信したり電話に出たりしてはいけないという鉄則があるので、相談者にはそのことを伝えて守ってもらいます。家族数名が脅迫されているなど、同一案件で被害者が複数名いる場合は、全員に対応のルールを伝え、全員でそのルールを守ってもらいます。被害者が加害者と何度もやり取りをしたり、引っ越しする際の対応を間違えたりするので、被害者が命を落とすという事態に発展してしまいます。こんなに簡単なロジックがあるのに、日本人は「命を助けるためのロジック」には興味がないということを、様々な報道を目にする度に思い知らされました。「予防できるのに……。命を落とさなくて済んだのに……」と思い、心底悲しくなりました。日本人は基本的に、問題を解決することを好まず、「問題がある、大変だ！」という状態が続くことを好む傾向が強いということに私は気づきました。私は、たまたま縁あって相談を受けた方々には危険度査定の技術を使って支援をしましたが、この技術が日本で広まるとは考えていませんでした。
11Sep
- DV被害女性を守るためのスキル？　27歳の私は軍事専門家と出会って……。
  DV被害女性たちの中には、サバイバーとなって被害女性を支援する団体を立ち上げたり、自治体の研修の講師となったりして、女性の人権保護のために活動する人たちが現れました。彼女たちの数十年に及ぶボランティア活動の歩みが実り、今は日本社会の中でもDV問題への理解が深まり、二次被害が発生することも減ってきています。これらの過程は、誰かが占いや霊能に頼ったことの結果ではなく、DV被害者支援のために身を粉にした人たちの現実的な努力の成果でした。DV防止法が施行された当初、私自身は占いや霊能とは無縁の世界で生きていました。そして、私が27歳になった時、スピリチュアルな世界からさらに遠ざかる出会いが訪れました。それは、軍事専門家との出会いです。その男性は軍人や傭兵、要人警護などの経歴を持ち、暴力の危険度査定を行う仕事をされていました。私が運営する市民グループの講座に彼を講師として招き、配偶者や恋人からの暴力への対策を学ぶことになったのです。彼は、講座の冒頭であるワークを参加者に出しました。1人の男性について、成育歴や性格など色々なネガティブ要素と思える項目を挙げ、「この男性についての印象を好きなように書いてください」と参加者に言いました。各自が自由記述で紙に思ったことを書き、順番に発表していきました。皆がネガティブな人物像を語る中で私の番になり、私は「その男性は、とても魅力的なタイプだと思います」と発表したのです。彼は目を大きく見開き、「１人だけ正解を出した」とでも言わんばかりの表情で私のことを見ていました。参加者の中で、題材である男性のことを肯定的に語ったのは私一人だけでした。各自が発表を終えた後、彼は「この人物は私の特徴を列挙しています」と笑顔で言いました。私は講師のプロフィールだとは気づかなかったので「ひっかけ問題だったのね」と思いましたが、当時すでに成育歴の問題について詳しかったので、複雑な成育歴のある男性は一種の魔力を持っていると理解していました。その専門家から、プロファイリングに向いていると認められた私は、半年間、彼に弟子入りすることになったのです。
06Sep
- 占いや霊能からさらに遠ざかっていく？　被害女性を攻撃する女性たちがいて……。
  私は、DV被害の事例の数々を目の当たりにしながら、日々現実と向き合っていました。DV被害女性たちと話をしていて、占いや霊能の話題が出てくることはありませんでした。どの女性も裁判を抱えていたり、ストーカーになった元パートナーから逃れることに必死だったりして、余裕がなかったのだと思います。彼女たちが抱えていた問題には、パートナーや元パートナーにかかわるものだけではなく、同性である女性たちの無理解という種類のものもありました。2001年にDV防止法が施行された頃の日本では、多くの男性たちが心理的に法律の概念を受け入れられなかったという背景がありますが、女性たちの中にもDV被害女性に対して酷い仕打ちをする人たちがいました。DV防止法が施行される前の日本では、重傷を負うような怪我をしなければ夫が妻を殴っても逮捕されませんでしたので、妻は暴力に耐え続けるのが当たり前でした。そんな経験をしてきた女性たちが自分の嫁に対して投げかける言葉は、「私も夫からの暴力に耐えてきたのだから、あなたも耐えなさい」というものでした。DV被害女性が自治体の女性相談員に相談に行くと、「あなたにも悪いところがあったのではないですか？」と言われることもありました。「夫に殴られたくらいのことで騒ぐなんて……」と思う女性たちが少なからず存在したのです。女性が女性を攻撃するという二次被害が起こることは、被害女性にとって傷口に塩を塗り込まれるような苦しい体験でした。日本は、女性の人権に関しては発展途上国でした。このような社会問題は、DV被害女性たちが占いや霊能に頼ったところで解決する問題ではありませんでした。被害女性たちの中には、サバイバーとなって被害女性を支援する団体を立ち上げたり、自治体の研修の講師となったりして、女性の人権保護のために活動する人たちが現れました。彼女たちの数十年に及ぶボランティア活動の歩みが実り、今はだいぶDV問題への理解が深まり、二次被害が発生することも減ってきています。これらの過程は、誰かが占いや霊能に頼ったことの結果ではなく、DV被害者支援のために身を粉にした人たちの現実的な努力の成果でした。
03Sep
- スピリチュアルに依存できないほどの悩みとは？　私が出会った女性たちの苦悩は……。
  では、スピリチュアルに依存できないほどの悩みとはどのようなものなのでしょうか。私自身は、医療従事者として多くの女性たちのお悩みに寄り添ってきましたが、その中でも特に多かったのが配偶者からの暴力、つまりドメスティック・バイオレンスの問題でした。相談者だけではなく、私自身もパートナー選びは上手くいっていませんでしたので、彼女たちの悩みは私自身の悩みでもありました。2001年にDV防止法が施行された当時、法律で網羅されている配偶者からの暴力には、身体的暴力しか含まれていませんでした。法改正が重ねられることにより、配偶者からの精神的暴力なども暴力として認められるようになりましたが、2001年当時は配偶者からの身体的暴力を法律で取り締まるだけでも大きな壁があったのです。日本社会を動かしていた男性たちの中には、「妻を叩くのは躾であり、教育なのだ」と本気で思っていた人たちが少なくありませんでした。DV防止法が施行されたからといって、日本社会が簡単にその法律を受け入れたわけではなかったのです。DV被害女性からの依頼を請け負った男性弁護士がパニックになってDV加害男性の肩を持ち、クライアントである女性を苦しめるという事案もありました。その男性弁護士は、言動から推測するに、DV加害をする父親のもとで育ったのでしょう。もし彼がDV被害女性の味方になると、子ども時代にDV加害をしていた自分の父親のことを否定することになり、それは自分という存在の否定にもなります。DV家庭で育った男性が内面のケアをせずに社会に出ると、DV被害女性に出会ったことが引き金になり、封じ込めていた心の闇が爆発してしまうのです。当然のことながら、その被害女性は担当弁護士を解任し、別の弁護士に依頼をしましたが、23年前の日本は、「DV防止法ができてよかったですね」と喜ぶことができるような状況ではなかったのです。もちろん、DV防止法がないよりは良いのですが、それはあくまでもスタートラインに立ったという段階でしかありませんでした。しかも、DV防止法制定後、多くの女性たちを苦しめたのは、同性である女性たちであることが多かったのです。DV被害女性を支援する女性たちも大勢いましたが、敵であるかのごとくDV被害女性を苦しめる女性たちがたくさんいたことも事実です。このような社会問題はスピリチュアルでは解決しません。私は、悲惨なDV被害の数々を目の当たりにしながら、日々現実と向き合っていました。
31Aug
- 洗脳は解けたはずなのに……。それでもスピリチュアルと無縁だった理由は？
  今から20年前、27歳の時に、それまで持っていた「占いや霊能は危険だ」という洗脳が解けたわけですが、その後すぐに占い師や霊能者とのご縁ができたわけではありませんでした。洗脳が解けてから10年後、37歳の時に人生で初めて霊能者に人生相談をしたのですが、今にして思うと10年も間が空いていたことを不思議に思います。とはいえ、その謎は簡単に解明することができます。多くの女性たちは、気軽に占い師や霊能者のところに相談に行きますが、それは精神的に余裕があることの証拠なのです。生きるか死ぬかという究極の問題を抱えていたり、身内に深刻な病気を患っている人がいたりすると、スピリチュアルなことを考える余裕がありません。私自身は、20代から30代にかけてとても辛い経験をしました。37歳になるまでは、人生について悩む余裕すらなかったのです。37歳になった時、私は心身ともにある程度の健康を手にすることができました。家族の問題も少し落ち着きました。つまり、人はあまりに深刻な悩みを抱えているとスピリチュアルには依存しないということなのです。
27Aug
- 初めて会った占い師、衝撃的な彼女の正体とは？
  我が家は、母が入っていた宗教の影響により、占いや霊能とのかかわりを全否定する価値観を持っていました。子ども時代も社会に出てからも、私は占い師や霊能者に会ったことがありませんでした。そのような状況の中、初めて占い師に会う機会が訪れます。それは、今から20年前、私が27歳の時でした。私と母は、母の仕事関係者で、母と同年代の女性と3人で話をしていたのですが、彼女が「副業で占い師をしている」と言ったのです。そして、「占いにはテクニックがあるんですよ」とも語っていました。そのテクニックとは、コールド・リーディングと呼ばれる話術のことを指していたのだと思います。その女性と話した後、母と2人で話をしたのですが、母は「彼女が『占い師っぽい衣装』を着たら似合いそうよね」と言いました。母は、彼女の正業のことを高く評価していたので、お小遣い稼ぎに占い師をしていると聞かされても、彼女について否定的なコメントを口にすることはありませんでした。私自身は、育った環境から「占いや霊能は危険だ」という価値観を持っていたので、「占いはテクニックがあればできる」という彼女の話を聞いて、拍子抜けしてしまいました。ある意味、洗脳が解けた瞬間でした。彼女は霊感や魔術を持っているわけではなく、「ある技術」を習得したから占いをできるわけです。彼女にとって、占いは稼ぐ手段でしかありません。しかも、私が思っていたような危険人物ではなく、普通にどこにでもいる主婦でした。彼女は、占いの館のような職場で働く時間だけは占い師になりきって仕事をして、話術でお客さんを満足させていたのです。要するに、話が上手な女性でした。私が子ども時代に「占いや霊能は危険だ」と教わったのは、いったい何だったんだろう……。彼女を通して占いの裏側を見てしまった私は、「占いや霊能」への恐怖が激減したのです。
25Aug
- 【はじめに】医療従事者の私が「スピリチュアル」について発信しようと思った理由
  ブログをご訪問頂きありがとうございます。板垣晶子（いたがき・あきこ）と申します。私は、1977年に東京で生まれ、24歳の時から20年以上にわたり医療従事者（コメディカル）として、多くの女性たちのサポートをしてきました。30代後半までは占いや霊能、自己啓発の分野とは全く無縁の世界で生きていましたし、占い師や霊能者と話すようになってからも、自分がスピリチュアルに依存しているとは思っていませんでした。どこからがスピリチュアル依存なのでしょうか。年に1、2回占い師に鑑定してもらう程度であれば、依存とは言わないのでしょうか。もしその程度でも依存に入るとしたら、デメリットはどのようなものなのでしょうか。元々スピリチュアルとは無縁の世界で現実主義者として生きてきた私が、このような素朴な疑問にお答えしたいと思い、筆を取りました。実際問題として、人生におけるある一定の時期を占いや霊能に依存して生きることはよくあることです。長い人生の中では、現実逃避をしなくては生きていけないような時もあるからです。とはいえ、自分の人生の舵取りを他人にまかせるようになると自分の力で幸せを掴み取ることが難しくなります。私自身は、30代後半から40代後半までの約10年間に占い師や霊能者に時々相談をする人生でした。そして、占いや霊能のほとんどは「まがい物」だと気づいてしまい、スピリチュアル依存から抜けたのです。このブログでは、私がスピリチュアルに依存した経緯と依存から抜けた日のことを綴ります。どうぞよろしくお願いいたします。