いすけ屋

 「妥協するくらいなら合意すべきでない」が53・9%あったことは、ごくごく当たり前の話だ。「合意するためには妥協はやむを得ない」という人が33・6%という事は、けっこう気前のいい、心の大きい人がいるということか。それでも彼らが「合意の内容」を知ったら、とたんに怒り出すかも知れない。よって、正しい判定を頂くためには、合意するなら米国は何をどれだけ譲歩したのか、日本は何をどれだけ譲歩したのか公表すべきである。

 TPPはオバマの経済政策の最重要策であり、日本が入らなければ何の意味もない。安倍さんは、恐らく日米安保に尖閣も入るという事をオバマに言わせて、その代わりにTPPには参加してあげるぐらいのつもりだったと思う。日本車の関税が2.5%かかろうと、別に日本車はアメリカで勝負できている。ところが、農産主要5品目を関税ゼロにすれば、日本農業は崩壊する。日本に決して得にもならないTPPに、反対を押し切って参加するメリットなんてほとんどないのに、「例外品目があってもいいか」とオバマに問いただした上で、安倍さんは参加した。この裏には、加熱する中国に対して「尖閣の抑止力にどうしても米軍の力が欲しかった」という理由があったのだ。

 オバマ訪日は、安倍さんの思惑どおりにいったと言える。韓国でのオバマ発言は想定外であったが、日本で収穫が無かったオバマの「腹いせ」も入っていると思う。しかし、この件はオバマは携わってはいけない問題である。先日にも書いたようにアメリカの慰安婦問題に対する公式見解は1944年から決まっている。失言ととられてもい方のない発言だった。バ韓国は大喜びだったが、パクさんはしょうがないおばさんにしても、もっと賢い側近が教えてあげなければいけない。世界中に無知なる恥をばら撒いているのだから。

 フィリピンでは、オバマはいい仕事をした。米軍をフィリピンに戻すと言う。これで、南シナ海の中国の横暴が少しは止むのではないか。東シナ海、尖閣でも無茶は出来なくなった。そう考えると、オバマのASEAN訪問は一定の成果があったとみるのが正しい。しかし、牛肉や豚肉の関税を緩めても、危険な米国産肉は用心深い日本人には受け入れられないだろう。農薬基準、安全基準を日本にあわさなければ、中国産より危ないと言われる米国産肉など、売れるわけがない。米国の農業改革こそ、先決問題である。