維新また内紛勃発
  
(日刊ゲンダイ12月07日)



 「維新の会」で内紛勃発か。苦戦している新人侯補者たちが、「比例名簿の順位のつけ方に納得がいかない」と不満を強めているのだ。


 公示日前日の3日に発表された名簿は、客寄せパンダの石原慎太郎が東京ブロック単独1位、東国原も近畿ブロック単独1位になったほか、小選挙区と重複立候補している前国会議員11人も、軒並み1~3位に優遇された。

 小沢鋭仁(南関東ブロック単独1位)、上野宏史(北関東単独1位)、松野頼久(九州単独1位)……。仮に小選挙区で負けても、ほぼ全員の当選が確実だ。


 「党への貢献度や選挙後の体制を考えて順位をつけた」 (維新の会事務局)というが、怒りが収まらないのが下位に追いやられた新人侯補者たちだ。


 「新人の多くは組織もない中、一から事務所を探し、必死に戦っています。後援会をもち、希望の選挙区から出られる前国会議員とは雲泥の差です。それなのに彼らを優遇するなんて信じられません。大阪以外の小選挙区ではほぼ勝てないといわれ、みんな比例復活を目指しているのに、ひどい仕打ちですよ」 (関東地方の新人候補)



比例名簿順位めぐり新人VS前国会議員   



 民主党でさえ、比例名簿は全員1位で横並びにし、惜敗率の高い者が当選するようにしている。前国会議員を優遇するやり方に、維新新人が激怒するのも無理はない。維新塾から候補になった者は、高額の授業料を支払っているからなおさらだ。


 維新の名簿でさらに気になるのが、新人なのに優遇されている候補者がいることだ。東京ブロック単独2位の今村洋史(50)や、南関東ブロック単独2位の松田学(55)だ。


 松田は出馬予定の選挙区をみんなの党に譲った見返りだというが、今村はそうした“貢献”がないのに2位。1位石原の下で、山田宏前杉並区長(3位)より上だ。職業は医師・医療法人理事長となっているが、なぜ優遇されたのか。


 「たちあがれ日本が昨年1月に設立した人材育成『かけはし塾』の1期生で、リーダー役でした。平沼さんも高く評価していたので2位になったのでしょう。かなりの資産家で、党のパーティー券を大量に購入するなど、金銭面でも貢献していたようです」 (永田町関係者)

 国会議員でもなく、カネもない新人は、維新から出るべきではなかったようだ。





いすけ屋



 どうも小選挙区選挙制度に比例代表がくっついていて、その比例代表が選挙区で落選した時の保険になっていることに納得がいかない。現職の総理大臣までもが、この比例区にも立候補して恥も外聞もどうでもいいらしい。死に物狂いで国会議員のバッジだけは守ろうとしている。比例代表は少数意見をくみ上げるためだと言うが、民主主義というのは51%が賛成すれば、残りの49%はそれに従うとしたものだ。



 2大政党を目指して「小選挙区制」が採用されたのに、この比例代表のせいで、今度の選挙は少数政党乱立の様相となってしまった。一度落選したものが、比例で復活するのは、どう考えてもおかしい。選挙制度は国会以外で決めるという法律が必要だ。



 そこで、自民党を批判してきた民主党も維新の会も、未来の党も比例順序でもめている。公示が終わったから、「もめていた」が正しいが・・。「未来の党」は昨日も触れたが、登録直前に飯田哲也代表代行が変更し、正式に届けたのは締切から5時間後であった。「維新の会」も、結局自民党と同じで、党に多く金を出した者が比例順位が上位にきているようだ。



 結局、いくらきれいごとを言っても、実際の場面では平気で覆す。野田さんが野党時代に自民党を攻撃した、諸々の事案は、総理になった途端、まるで認知症にかかったように全く無視してきた。例えば自民党の消費税アップに対しては、「白アリ退治が先」とせまっていたのに、自分の時はまったく、それこそ全く無視して、シロアリ退治政策なしで、且つ財務省に言われるままに増税を強行した。



 選挙手前になって、民主党不利がわかると、公務員宿舎を2倍に値上げしてみたり、公務員を3000人減らすと言ってみたり、幼稚な選挙用政策をぶち上げたりした。まるで「脱原発」を唱える他の政党と同じ責任の伴わない選挙対策モードでしかない。どうせ政権には就ないから、何とでも言えるのだ。



 小選挙区制を続けるのなら、比例部分をなくして、政権交代可能な2大政党で国会を運営してもらいたいが、民主党にはその能力が無いことがはっきりした。よって、まだまだ日本は政治の混迷が続きそうだ。早く、ちゃんとした政党が表れて欲しいが、「維新の会」も「未来の党」も、不合格である。