民主衝撃、自民に次ぎ維新が2位…比例投票先

(2012年8月14日11時50分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120814-OYT1T00182.htm?from=main1


 読売新聞社が11~12日に実施した全国世論調査で、橋下徹大阪市長が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が、次期衆院比例選の投票先で民主党を上回る「第2党」となった結果に、民主党内には衝撃が走った。

 同党の衆院選での苦戦が予想され、「選挙の顔」を選ぶ9月の党代表選の行方にも影響を与えそうだ。

 「民主党への反感は募るばかりで、底が抜けている感じだ。行き場のない支持が維新に向かっている」

 衆院東北ブロックの選挙区選出議員(当選2回)は焦りを隠さず、こう語った。北陸信越ブロックの選挙区選出議員(当選3回)も、「『比例は絶対に民主党と書かない』という支持者が多い。維新の会が候補者を出せば、伸びるだろう」と警戒感をあらわにした。

 世論調査では、次期衆院比例選の投票先で、維新は自民の21%に次ぐ16%、民主党は11%だった。衆院ブロック別で見ても、「近畿」でトップに立っただけでなく、ほとんどのブロックで、民主党を上回り、全国的な支持の広がりを示した。

 解散時期を巡っては、野田首相が自民党の谷垣総裁との党首会談で「近いうちに信を問う」ことで合意し、秋にも解散・総選挙に踏み切るとの見方が強まっている。

 だが、こうした厳しい情勢は、「とにかく選挙を先延ばしにしてほしい」といった解散の先送りを求める声につながっている。南関東ブロックのベテラン議員は「時間がたてば維新の勢いも少し落ち着く。解散は年明けにすべきだ」と強調する。党執行部の中からも、「今は社会保障・税一体改革関連法がようやく成立したばかりで、これから政策全体について進め、与党としての実績を積み重ねることに力を注ぎたい」と早期解散に慎重な声が出ている。

 こうした中で、9月21日に行われる党代表選で、「野田降ろし」の動きが強まる可能性が出てきた。

 内閣支持率は、首相が全力で取り組んだ一体改革関連法が成立したにもかかわらず、今回の調査で27%に下落した。

 首相の政権運営に反発し、対抗馬の擁立を目指している若手議員の一人は、「代表選で野田さんを代えるしかない。せめて新鮮な顔で衆院選を戦わないと、どうにもならない」と息巻く。

 党内では、岡田副総理や前原政調会長らがいち早く首相の再選支持を明らかにしたが、ある中堅議員は「選挙に向けた情勢がさらに厳しくなれば、主流派からも『野田降ろし』の声が出るだろう」と指摘した。




いすけ屋


 「予想通り」というよりも、民主党の次期衆院比例選の投票先11%は多すぎるので驚いている。この日本には、性懲りも無く治世能力の無い民主党でも、かすかに希望を託す人間が1割もいるということか。自民党の21%も多すぎる。消費税増税に加担し、野党の働きを忘れた政党の責任は大きい。ただ、他に政権を任せられる政党はないから、仕方がないのかもしれないが・・・。日本の政治力がこの60年間、ちっとも成長していない証左でもある。


 人気の維新の会は、まだまだ欠点が多く、いきなり巨大政党になると、短命に終わる可能性が大きい。今のところ橋下大阪市長に期待するところが大きいが、こと国政になると、これまでのような職員を締め付けるような小技では務まらない。「維新八策改訂版」でも突っ込みどころはいっぱいある。


 まず、憲法改正について。維新八策は改訂版でも、「非常事態規定」について、何も述べていない。これは大きな欠陥であり、東日本大震災を経験したばかりなのに、重要項目をパスしている。また、憲法9条をどう変えるのかについて、維新八策改訂版は「憲法9条を変えるか否かの国民投票」によるとしている。これは民主的のように見えるが、政治集団としては自らの意見を述べない卑怯者でしかない。戦後教育で洗脳されたB層に意見を聞いても無駄である。


 次に外交・防衛について。「理念」として掲げていることは、「世界の平和と繁栄に貢献する外交政策」「日本の主権と領土を自力で守る防衛力と政策の整備」「日米同盟を基軸とし、自由と民主主義を守る国々との連携を強化」「日本の生存に必要な資源を国際協調の下に確保」の4つ。外交の素人でも指折り上げられそうなものであり、理念がない。「豪州、韓国との関係強化」等とあげている事からも、まったく素人が書いたものとしか思えない。韓国は仮想敵国だ。優秀なブレーンがいないのか。


 経済政策には、新自由主義的な傾向が強く出ている。「理念、基本方針」に「競争力」という言葉が何回も使われ、「自由貿易圏の拡大」「イノベーション促進のための徹底した規制改革」を掲げ、「TPP参加」を明記している。小泉=竹中構造改革を批判的せず、それを継承・徹底する姿勢である。これでは小泉政権の二の舞である


 「脱原発依存」も維新の会の売りであるが、エネルギー政策をどうするのか、まったく具体性がない。雇用政策については、「徹底した就労支援と解雇規制の緩和を含む労働市場の流動化(衰退産業から成長産業への人材移動を支援)」という項目がある。前者は、労働者や学生・女性等の支援だろうが、後者の「解雇規制の緩和」はその一方で首切りをしやすくするという相反する内容となっている。首切りを自由にしてでも、競争に勝てという小泉構造改革方式だ。


 税制ではフラット税制を推奨している。フラット税制は、レーガン政権が行った新自由主義的な税制である。法人税と所得税を極端に低くし、一部の富裕層と株主や経営者の所得を最大にする政策だった。これでは小泉政策で広がった格差がますます大きくなる。


 このように内部を探ると、いろいろ粗(あら)が見えてくる。国歌斉唱起立や刺青調査ぐらいで騙されてはいけない。彼は確かに弁は立つ。実行力もある。しかしTPPに賛成する親米派の一人にすぎない。「維新の会」は橋下大阪市長を除いたら、ただの政治学習集団に過ぎず、どっかの政経塾よりレベルが高いかというと、非常に怪しい。


 ということで、今度の選挙は難しくなった。