陸山会事件、捜査報告書虚偽記載の検事不起訴へ
    
(2012年4月18日10時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120418-OYT1T00083.htm


 小沢一郎民主党元代表(69)が政治資金規正法違反に問われた陸山会事件の捜査報告書に虚偽記載があった問題で、東京地検は、報告書の作成者で虚偽有印公文書作成などの容疑で告発された元特捜部の田代政弘検事(45)について、不起訴とする方針を固めた。


 田代検事ら関係者を聴取した結果、虚偽記載に故意はなく、上司らの関与もなかったとして刑事責任は問えないと判断した模様だ。


 問題の報告書は、田代検事が2010年5月17日、保釈中の陸山会元事務担当者・石川知裕衆院議員(38)を任意で再聴取した直後に作成された。石川被告の発言として、「親分を守るためにウソをついたら選挙民を裏切ることになると言われ、元代表の関与を認めた」などと、聴取で述べなかった内容が含まれていた。





いすけ屋


 小沢裁判の過程で、捜査報告書の捏造が発覚し、虚偽有印公文書作成などの容疑で刑事告発された東京地検特捜部の田代政弘検事について、東京地検刑事部は今年2月以降、田代検事や当時の上司らから任意で複数回、事情聴取した。田代検事は 「以前の取り調べの記憶と混同した」と繰り返し意図的な書き換えを否定し、当時の上司らの関与も否定したため、地検は刑事責任を問うだけの証拠が得られず、起訴を見送るべきだとの意見を強めているという。 


 ちょっとちょっと、バカにすんのもええかげんにせいやっ!人をデタラメ調書捏造で貶めても、仲間は庇うのか。これじゃ、内部浄化は絶対できない。自分たちのやってる事が、どう言う事かまるでわかってないようだ。ここまで検察の信用を落としたのに、反省のかけらもないとは・・・。それなら、検察の捜査を監視する、法的に保障された民間の組織が必要だ。


 小沢裁判で明らかになった事がある。東京地検特捜部の吉田正喜副部長は「この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢をあげられなければ特捜の負けだ」と検察内部で発言していた。ここまでバレているのに、不起訴だと!


 小沢裁判のいきさつから述べる。大久保元秘書の第2回公判では岡崎彰文西松建設元取締役が出廷し、西松建設関連の二つの政治団体に実体があることまで証言されてしまい、大久保逮捕が、完全なる誤認逮捕、不正逮捕であることが明白になってしまった。そこで、急きょ打ち出されたのが、陸山会事件である。2004年10月の小沢氏資金管理団体による不動産取得にかかる収支報告書記載に因縁をつけて、これまた「虚偽記載」であるとして、石川知裕衆院議員、大久保隆規氏、池田光智氏の三名を、「虚偽記載」で逮捕したのだ。大久保隆規氏は西松からの訴因変更だとさ。


 土地の本登記の日に土地購入を記載したのが、「虚偽記載」と因縁つけられて逮捕騒ぎになっている。この無理筋は素人でもわかる。やはり背景には「この件は特捜部と小沢の全面戦争だ」と言った上司の言動がある。これで十分ではないか。この特捜部の小沢捜査にかかわった全員を、訴追しなければ、悪事を働いた検察官でも裁かれない特権があるようにみえる。


 日本は早く法治国家に戻ってほしい。


 尚、下記に冤罪を作った検事の衝撃告白をあげておく。これが検察の実態である。




元検事が衝撃告白 私はこうして冤罪をつくりました
   
2012年4月16日 掲載
http://gendai.net/articles/view/syakai/136178


幹部は「とにかく割れ」の一点張り


 「私はこうして冤罪をつくりました」――。衝撃的な本が出版され、話題になっている。01年の「佐賀市農協背任事件」で、被疑者を取り調べ中に「殺す」などと発言したことを自ら法廷で証言し、“冤罪加害者”となった元検事の市川寛弁護士(46)の著書「検事失格」(毎日新聞社)だ。今月26日に判決が出る「小沢裁判」でも、地検特捜部のデタラメが明らかになっているが、特捜検事はなぜ“暴走”するのか。冤罪を生み出す検察組織の問題点を市川弁護士が語った。


 「検察問題の背景には、過去の2つの成功体験があると思います。ロッキード事件とリクルート事件で、大物政治家を逮捕し、『巨悪と戦う』という特捜神話が生まれるきっかけになりました。しかし、この大金星を挙げたが故、特捜部は国会議員や一流企業といった社会的地位のある人を摘発するために存在するのだ――と自己目的化してしまった。特捜部長などの幹部になると『任期2年の間に打ち上げ花火を上げなければ』とプレッシャーを感じ、ムリをし始めるのだと思います」


 「佐賀市農協背任事件」も、きっかけは当時の佐賀地検幹部が議員逮捕という金星を狙った勇み足が原因だった。三席検事(当時)だった市川弁護士は事件の詳細を把握しないまま主任に指名され、揚げ句、自分が「不起訴」と判断していた被疑者の起訴状にサインも迫られた。それが市川弁護士が違法な取り調べに手を染める結果につながった。


 「検察は調書を取る教育はしますが、取り調べの教育はしません。ロッキード事件で誰々の供述を取った、という検事がその後、検事正や検事長、総長になり、当時の捜査手法や取り調べのノウハウが全国に受け継がれていったのですが、伝わるのは、取り調べ中に『机の下から(被疑者を)蹴った』『千枚通しを突きつけて罵倒した』という内容。当時はうまくいったのかもしれませんが、今はそんな取り調べは絶対にできません。世の中が変わっているのに、幹部は気付いていないのです。相談しても『君の力が足りない』と言い、とにかく『割れ(自白させろ)』『立てろ(起訴しろ)』です。つまらないことで、すぐに『バカヤロー』と怒るから、部下は次第に何も報告しなくなります。証拠改ざん事件で逮捕、起訴された前田元検事も、正直に報告できる雰囲気が特捜部になかったのではないかと思います」


「小沢裁判は間違いなく無罪です」


 「小沢裁判」でも、石川知裕衆院議員(38)を取り調べた田代政弘検事(45)が捜査報告書を捏造していた。市川弁護士と田代検事は元同僚だ。


 「田代検事とは横浜地検小田原支部で2年間一緒でした。優秀な検事だったから、今回の件はとても驚いています。録音テープを起こした反訳書を読みましたが、とても彼の取り調べとは思えない。彼は冷静に淡々とやりとりするのに、石川氏を懸命になだめすかしているからです。任意聴取なのだから、供述を得るのが難しければ日を改めればいいのに、4、5時間も続けている。通常は考えられません。これは想像ですが、おそらく彼は石川氏の聴取を当日まで知らなかったのでしょう。上司から突然、『この線で聴取を取れ』『1日で仕留めろ』と迫られたのではないかと思います」


 小沢裁判については、こう見ている。

 「検察が2度も不起訴にし、それも“起訴猶予”ではなく、“嫌疑不十分”なのだから証拠が足りない。その少ない証拠は裁判で却下されてもっと少なくなった。判決の理想は公訴棄却ですが、無罪は間違いないとみています。もし有罪なら今後の刑事裁判は成り立ちません」 .