原発警戒区域の一部長期化「大変申し訳ない」 枝野氏
   
2011.8.22 11:41
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110822/plc11082211440010-n1.htm


 枝野幸男官房長官は22日午前の記者会見で、政府が福島第1原発事故に伴い長期間帰宅が困難な一部地域で警戒区域指定を解除しない方針であることについて、「原発に近いところを中心に放射線量が大変高い地域がある。除染の対策を講じても長期にわたって住民に戻るのが困難になる地域が生じる可能性は否定できない。大変申し訳ない」と陳謝した。


 その上で「モニタリングと今後の除染計画を踏まえて、地元と相談しながら方向性を固めたい」と述べた。


 帰宅が困難な地域の土地を借り上げるかどうかについては「長期に帰れない地域は、さまざまな対応が必要だが、今は現状の把握と今後の除染を検討している。今、具体的なことが固まっているわけではない」と述べるにとどめた。



いすけ屋


 確かに、地中に潜った放射性物質は除染しにくいし、雨が降るたび上流からも流れてくるから、ホットスポットは出来る。それでも空から新しい放射性物質が飛んで来なければ、すでに地上に降り落ちた放射能を除染すれば、永遠に住めなくなるなんてことは有り得ない筈だ。


 線量にしても一番多い所で年間推定換算500ミリシーベルト前後である。この数字は放射線ホルミシス効果の面から言うと、最適値100mSv、許容値1000mSvの中間値であり、決して驚くような値ではない。残念ながら、未だに日本政府は、国際放射線防護委員会ICRPが50年前の直線仮説(比例して有害効果)をもとにして国際勧告した放射線規制を参考に法令化し、厳しい放射線管理を行っている。この最大値が20mSvである。泣いて辞めた先生は、1mSvだと信じていた。


 別に、「500mSvなら範囲内だからいいではないか」とは言わない。しかし農地も山林も除染した上で(或いは大量降雨を何度か経験して)、もっと細かく区切って測定し、その結果を明示した上で、今後の方針を地元の方に納得して頂く、と言った手順を踏むのが当然ではないか。辞めてゆく総理大臣に謝ってもらっても、何にもならない。菅政権のいつもの欠点である。


 広島や長崎も一度広範囲に被曝し、雨が降り地中に潜ったであろう放射性物質を、我々は知らずに過ごして来たが、別段何事もなかった。チェルノブイリも、住民を避難させてそのままであるが、あちらは土地が広いから日本ほど深刻ではない。現地レポート映像によると、残留放射能は原発近くの森の中で微量が検出されるだけで、原発の建物の横で3.5μSvであった。


 政府がこのように、「一部地域で警戒区域指定を解除しない」となると、「それ見た事か」風に論評する有識者がほとんどであるが、それは有識者ではない。トーマス・D・ラッキー博士(生命科学者)、岡田重文(放射線審議会会長、東京大学医学部教授)、菅原努(京都大学医学部長)、近藤宗平(大阪大学教授)、マイロン・ポリコーブ博士(カリフォル平ア大医学部米国核医学会の大御所)、ルードヴィッヒ・ファイネンデーゲン博士(ユーリッヒ研所長、放射線分子生物学世界第一人者)、フランス医科学アカデミーのモーリス・チュビアーナ博士、ヴィレンチック博士とクヌードソン博士を御存知か。


 おそらく、今年7月24日に東京理科大学で「ホルミシス臨床研究会」主催の講演会が行われ、5つの発表と現状報告が為されたが、出席すらしていないだろう。ホルミシス効果はなぜ生まれるかという細胞DNA修復効果の構造について、近年目覚ましい研究が進んでいる。もっと、目を見開くべきである。


 よって彼等の研究成果を知った上で、データをもって反論出来る科学者はいない。あくまでも、LNT仮説(50年前)に則って、危険だ危険だと煽っているだけなのだ。案外、それが仕事なのかも知れないが・・・。