復興構想会議というモーロク会議の無用有害
   
(日刊ゲンダイ4月30日)


 会議は踊る。まさに、それを地でいっているのが、菅首相・枝野官房長官の目立ちたがり屋コンビが”政治主導”でつくった「復興構想会議」だ。


 なにしろ1回目(14日から、五百旗頭真・防衛大学校長がいきなり「震災復興税」をブチ上げたものだから、グチャグチヤになってしまった。2回目(23日)の会合では、さっそく、メンバーのひとり、岩手県の達増拓也知事が「復興税は消費を低迷させる」として財源論争に反対を表明。他のメンバーからも「どのような復興を考えるかが先で、財源論は後ではないか」との声が上がり、財源論の対立が表面化したのだ。


 混乱はそれだけではない。30日(土)の3回目を前に、下部組織の「検討部会」(部会長・飯尾潤政策研究大学院大教授)との内紛が勃発しているというからメチャクチヤだ。飯尾氏が20日の初会合で、復興財源についても検討する方針を明らかにし、26日には復興策の枠組みにまで言及した。これに対し、復興会議のメンバーが内閣官房の事務局に「検討部会の部会長が親会議よりも自分の考えを前面に押し出すことには違和感を感じる」とカミついたというのだ。アホらしい。まるでガキのケンカである。

 「6月末をめどに一定の方針、方向を打ち出していただきたい」と菅はエラソーに言ってみせたが、最初から内紛では

まったく話にならない。


どこが「オールジャパンの英知」なのか  


 菅が「全国民の英知を結集する」と大見えを切った復興構想会議。だが、改めて会議の顔ぶれを見ると、「これがオールジャパンの英知なのか」とクビをかしげざるを得ない。


 議長の五百旗頭氏をはじめ、学者と被災地の首長ら総勢16人で、平均年齢は61・8歳。それぞれの分野では一流の人物なのだろうが、人選が偏り過ぎだ。

 初日から増税をブチ上げたのに、財政・金融の専門家がひとりもいない。農業や漁業の専門家も入れずに、どうやって東北の復興プランを描くのか。


 「阪神大震災の時は、元国土事務次官の下河辺淳氏が委員長を務め、被災地の兵庫県知事もメンバーに入った。復興構想会議は、この『阪神・淡路復興委員会』をモデルに、被災地の知事を入れるなど形だけ真似していますが、中身はまるで別物です。菅首相が政治主導を演出したいばかりに、大物官僚OBなどの実務的な専門家を排除した。そのため、各自が好き勝手に持論を主張する場になり、収拾がつかない。それもこれも、蛍北出身の著名人‘という安易な基準で選んだメンバー構成だからです」(官邸関係者)


 新聞社のOBと現役の編集委員が入っているのも問題だ。大マスコミが政策立案側に組み込まれれば、ますます紙面ではマトモな批判が期待できなくなる。早くも朝日は 「増税の時期の早さに注文があったとしても、増税そのものに反対するのは無責任だ」といった援護論を編集委員の署名記事で載せているありさまだ。




いすけ屋


 新聞社が「モーロク会議」と書くぐらいだから、結構もの言う私なんか足許にも及ばない。日刊ゲンダイさんに敬意を表する。さすがに平均年齢61・8歳で「モーロク会議」と言われると、私もすでにモーロクの歳は超えているので、少々抵抗はあるが、実体はそんなもんだろう。昔の名声で呼ばれても、斬新な発想など望むべくもない。もっと30代40代の若い人を入れて、日本のターニングポイントらしい発想を求めるべきだ



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 この表で、やはり読売新聞特別編集委員橋本五郎氏や朝日OBの高成田享氏はおかしい。また、15人のメンバー+議長の中で工学系の識者は大西隆氏一人である。建築家がいるなら、土木からも出さないと、鳥瞰図ばかりが先行し、それこそ絵に描いた餅になってしまう。ましてや議長が、あの人だから、官邸がちょっともの言いを付ければ、すぐになびくだろう。結局、実務的な専門家を排除して、形ばかりの復興構想となる事は必定だ


 ということは案外、菅さんは「増税」を言わせる為に、わざわざこんな会を作ったのかも知れない。わが身の延命のため、こうやって何もかも延ばしているとすれば、とんでもない野郎となる。もしそうなら、福島原発に視察に来てもらい、東電社員共々、少々被曝してもらうのがいい。「総理、視察お願いしますよ」と皆がねだれば聞いてくれる。