先日、平成23年1月18日、在胎期間23週と1日。産科のスタッフ、小児科のスタッフ合わせて20人近い方々が出産に携わってくださり、14時48分我が子が誕生しました。

体重487g
身長28cm

ママもパパも沢山悩みました。

もしかしたらあなたは生きて生まれて来れないかもしれない…。

抱きしめてあげられないかもしれない。

おっぱいをあげることができないかもしれない。

オムツを替えてあげることができないかもしれない。

一緒に歌を歌うことも遊ぶこともできないかもしれない。


産まれて直ぐ蘇生をしてもらったあなたは、超低体重未熟児として同じ病院内のNICUセンターに運ばれました。

センターに運ばれる前に分娩室で私はあなたと会うことができました。

「頑張って・・・」
あなたの小さな小さなおててにママの指をのせ
『ママ、あなたが生きる為だったら何でもする。ママの命あげることだって喜んで。 息子よ、生きるって辛いこともあるけどとっても楽しいし、いいものだよ。
だからお願い…生きて。』

心の中ですがる思いで祈りました。

今、NICUの保育器の中で彼なりのペースで成長しはじめてます。

医療の現場に勤めていた者として、今の現状、これからの越えていかねばならないハードル、厳しい現実を正面から捉えてる私がいる反面、でも、この子だったら絶対大丈夫!強い母としての私もいて…。

ほんとだったら、まだぬくぬくとした、あったかい居心地のいいお腹の中にいられるはずだったのに、人より4ヶ月も早く外へ出てこないといけなかった我が子へ申し訳ない思いでいっぱいでした。

思い返せばきりがない。あれもいけなかった、これもいけなかった、ああしなきゃよかった、原因探しして、後悔ばかり。

思い詰めてると、ある助産師さんから言われた一言がありました。『お母さん、起こってしまったことを悔いても何も始まらないよ。赤ちゃんにとってのベストを先生や私達、お父さんと考えてこう。お母さんがベストじゃないと、赤ちゃんもベストじゃないよ!』

この言葉で、救われました。いやがおうでも考えを変えました。

今の私に母として何ができるだろう…。

今彼に私がしてあげられることは、いつでも母乳が飲める様に、何があっても3時間置きにストック作りをすること。早いうちに産まれてしまったから、まだ量としては0.5mLも満たない。消化器官もうまく働くかわからない。乳首を指でグッとつまみ、少ーしずつ滲む母乳を細い細いシリンジでこぼれないように吸い集めることからはじまった。
こんなの痛いなんてことない。むしろ痛みがある分、彼と頑張れるし彼の為に頑張れる!

一日に0.5㍉㍑を2時間おきに12回から始まった母乳も、今日から2.5㍉㍑を2時間毎に12回!
しっかり消化もされ、うんちもしてくれてます。

母乳の量も少しずつ多くなってきました。とにかく寝ても覚めても母乳搾りに専念。

また、出産前から出産後にかけ、遠くは愛知から、福岡、佐賀、宮崎まで、ほんとにたくさんの方々から勇気付けの言葉と何よりも大きなパワー頂きました。
人の力ってすごい。
どれたけ支えになったことか…。

もちろん、普段はガラスのハートの持ち主ですが、何よりも側でずっと私を支えてくれた、パパの存在の大きさには助けられました。

そして昂誠にも。
昂誠のおかげで、パパとママ達は色んな経験をさせてもらいました。人間の生命力、信じる力、人との絆や温かさ…他にもたっくさん。

昂誠、大きくなったらみんなにお礼の巡業に出向かないとね!

まだまだこれから先の道のりは長いかもしれないけど、パパと3人でみんなに『ありがとう』を言いに行こうね!