坊主の辻説法

 

指揮者のいないオーケストラ 

 本当に大丈夫かよと思ってしまうが、ニューヨークのオルフェウス室内管弦楽団には指揮者がいないそうだ。指揮者はいないがリーダーはいる。「みんながリーダー、みんながメンバー」という不思議な組織だ。演奏家の世界では自分の専門でない演奏家に意見をいうのはタブーだそうで、それは学校の専門教科に似ている。この楽団ではそれを厳しくやっている。大切にしているのは、自分だけがいい演奏をしても意味がない。楽団として最高の演奏をするために、もっとこうした方がいいよと提案しているそうだ。学校も「もっとこうならいいのに」とみんなで意見を出し合えば授業も学校ももっとよくなるんじゃないか。どこの組織も専門家の壁は厚い。

 参考「組織は感情で変わる」高橋克徳 講談社新書